【実践編】モビリティ関節のアプローチ方法
以前お話ししましたモビリティ関節・スタビリティ関節の役割はこちらをご覧ください
モビリティ関節
→胸椎、股関節、足関節
スタビリティ関節
→頸椎、腰椎、仙腸関節、膝関節
体幹を中心に考えるとこのように分類できます。
一般的に痛める箇所としてはモビリティ関節である
首こり、腰痛、ひざ痛が多いです。
「胸の背骨が痛い」「足関節がだんだん疲れてくる」
などといった表現はあまり聞きません。
なぜスタビリティ関節が痛くなるのか?
それは本来可動域を十分に発揮して欲しいモビリティ関節が固まってしまうからです。
例えば体幹の回旋をしようとした時に胸椎が固まっていると腰椎がより頑張らないといけません。
モビリティ関節は土台になることが得意なので動くことは不得意です。
胸椎が固まっているために腰椎が過剰に動いてしまうために痛みが出てきてしまいます。
そのような仮説から腰痛であれば胸椎や股関節の可動域を正常にしてから腰痛の患部の治療をした方がいいのです。
モビリティ関節のアプローチ方法
ここで紹介するアプローチ方法で必ず行えといったことではないので
ご自身の施術で行なって頂ければと思います。
(この記事で大切なのはモビリティ関節の動きが十分でないとスタビリティ関節にも影響があるということです。)
1、胸椎アプローチ
2、股関節アプローチ
3、足関節アプローチ
1、胸椎アプローチ
評価
1、うつ伏せで寝た状態でおでこのところに手の甲を置きます
(ビーチフラッグのスタートの様な状態)
もう一方の手は腰に手の甲が乗る様にセットします
2、甲の方の肘側に体幹を捻っていきます
3、手を入れ替えて左右とも胸椎の回旋を確認していきます
アプローチ
胸椎の硬さがある方は胸椎周りが硬いのではなく腹筋が固まってしまいます。
特に回旋に影響する外腹斜筋、内腹斜筋が固まっているため胸椎の回旋がスムーズにいきません。
1、仰向けの状態で膝を立てて臍から指2本分外側、上方に指2本分のところに母指で抵抗があるまで圧を加える(ツボでいう陽明胃経の太乙)
(痛みがある場合は手掌で圧を加えてもOK)
2、圧を加えた状態で自動的に膝を左右に振る
3、10往復ほどすると先ほどより抵抗感がなくなるので圧を少し強めて左右に膝を振ってもらう
4、施術が終わったら再度先ほどの評価を行う
2、股関節アプローチ
評価
硬さがある場合は特に股関節内旋のチェックを行う
1、うつ伏せの場合
膝関節90度屈曲にして足関節を把持して下腿を外側へ動かす
この時に代償で骨盤が浮くのでもう一方の手で仙骨を抑える
2、仰向けの場合
膝を立てて(90度屈曲)片方ずつ膝を自動的に内側へ入れていく
この時も骨盤が浮きやすいので代償が出ない様に注意する
アプローチ
大腿方形筋を狙うように施術を行う
大腿方形筋
【起始】
坐骨(坐骨結節の外面)
【停止】
大腿骨(大転子下部、転子間稜)
【作用】
股関節の外旋、内転
1、うつ伏せの状態で軽度カエル足の状態にします(膝関節屈曲20度くらい)
2、足関節を持って膝関節90度屈曲、もう片方の手で坐骨と大転子を結んだ線上の中点に母指を置いて圧を加える
3、圧を加えたまま足関節を持っている手で下腿を外側・内側へ動かす
(股関節内旋・外旋を促す)
4、母指の位置を変えて何度か行うと股関節の緩みが出てくるので再度評価を行う
3、足関節アプローチ
評価
基本的には体の後面(下腿三頭筋)が緊張しやすいので足関節背屈を評価していきます。
1、仰向けで術者の手掌で踵を包んで持つ
(術者の手の甲はベッドにつける)
もう片方の手で足関節を背屈させて抵抗がある角度を確認する
アプローチ
1、評価の時と同じ様に仰向けで術者の手掌で踵を包んで持つ
2、もう片方の手で距骨を前面から踵に向かい手掌で圧を加える
3、圧を加えたまま足関節を背屈底屈を交互に加える
4、10往復ほど行ったら再度評価を行ってください
まとめ
首、腰、膝が慢性的に痛いと訴えた時は患部をすぐに評価するのではなく
モビリティ関節である胸椎、股関節、足関節を評価してアプローチすることで痛みの部位が回復していきます。
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