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上田岳弘 キュー

前半は村上春樹。都会で知的な職業についている三十代の主人公が、パラレルワールドに巻き込まれる。独身だけど女友達も居て、それなりに満足しているが、高校時代の変わった女性が忘れられず、未だにこだわりを持っている。満州国の名前が出てくる事から『ねじまき鳥クリニクル』、また戦後のフィクサーの話から『羊をめぐる冒険』を思い出す。

後半はSFの雰囲気が強い。作品中に、カート ボネガットの『猫のゆりかご』のアイス ナインの話が出てくるが、作品の世界観、未来感と、それに向かうドタバタ劇を読んでいるとカート ボネガットのSF小説風。

村上春樹、カート ボネガットが好きなら一読の価値があると思う。

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