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悪魔解体: 連載分

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[連載時期: 令和2年1月23日~4月30日] ・完全版と異なり、以降修正を加える予定のない、オリジナル版となっております。
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記事一覧

悪魔解体: 壱

悪 魔 解 体  はじめまして。帳一人と申します。三部作で構成される『悪魔解体』シリーズ…

帳 一人
4年前
3

悪魔解体: 一(上)

一 - 信を交わす  ⇒ 悪魔解体: 壱 より  「ふふ。ふ、」  歩いて十分ほどだろうか、「…

帳 一人
4年前
3

悪魔解体: 一(下)

 ⇒ 悪魔解体: 一(上) より  夕間暮れ。江東区内でも外れに構えている、先の時間よりも更に…

帳 一人
4年前
6

悪魔解体: 二(上)

二 - 多弦楽器 ⇒ 悪魔解体: 一(下) より  千代田区。言わずと知れた霞ヶ関近辺は、昔こそ…

帳 一人
4年前

悪魔解体: 二(中)

 ⇒ 悪魔解体: 二(上) より  桜の盛り。はじめてA校の校門を跨いだとき、それらより目立つ…

帳 一人
4年前
2

悪魔解体: 二(下)

 ⇒ 悪魔解体: 二(中) より 「嬢ちゃんと呼ばれるのは、なんだか慣れません」  久しからず…

帳 一人
4年前

悪魔解体: 三(上)

三 - 遠隔のマンティス ⇒ 悪魔解体: 二(下) より  艶やかな御器噛毛繕う、名貴き警視庁。その一角に陣取る、刑事部捜査一課の内装は総じて質素なもので固められており、この御時世に若干そぐわぬ様相をしている。デスクをはじめ、後先考えずに資料を立て並べられたラックまで、何の主張ももたないまま、業務用製品特有の灰色で、視界の色調を覆っていた。このご時世にそぐうように、女性も比べて場を行き来するようになってこそいるが、辺りの空気中を漂っているのは未だ、年月と言う風に当てられた、

悪魔解体: 三(中)

 ⇒ 悪魔解体: 三(上) より  「冗談じゃねえ」  「…そう、ですね」  二十時。見上げれ…

帳 一人
4年前
2

悪魔解体: 三(下)

 ⇒ 悪魔解体: 三(中) より  夜も更けたとはいえ、まだ燈りの絶えない亥の刻、有楽町。とい…

帳 一人
4年前
3

悪魔解体: 四(上)

四 - 薙ぎ風 ⇒ 悪魔解体: 三(下) より  持て余すことのない無数の排熱孔、文の月。職に就…

帳 一人
4年前
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悪魔解体: 四(中)

 ⇒ 悪魔解体: 四(上) より  「あの人、いえ、東さんはね、何度言ってもライフジャケットを…

帳 一人
4年前
3

悪魔解体: 四(下)

 ⇒ 悪魔解体: 四(中) より  「で、その話しぶりだと。あいつは、なんだかんだ言ってもまだ…

帳 一人
4年前
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悪魔解体: 五(上)

五 - デヴィルハント ⇒ 悪魔解体: 四(下) より  此れも亦、同日、魔と逢う頃合い。台東区…

帳 一人
4年前
2

悪魔解体: 五(下)

 ⇒ 悪魔解体: 五(上) より  「ふふ、可哀想に。私なりに気を遣いこそしましたが、それでも今頃、泣いていますよ? ご自宅からの道のりからして、予め手配しておいた同胞よりも早く着くだろうと踏んでいたのですが、そうするには足取りが重いかもしれませんね」  見縊ってもらっては困る。そう、○○へと、冬人は言葉を返す。  「案ずることはない。私の娘のことだ、タクシーに乗り込む迄には、その涙を。気に入っているパーカーの袖にて拭きながら、私の名前をぽつりと、怒りを込めて独り言ちて