伊予銀行Gが発行する『IRC Monthly』2022年11月号「最低賃金の引き上げの影響調査」
冬のボーナスシーズンですね。
愛媛県内では、7年ぶりに前年を上回るそうです。
いよぎんホールディングスのシンクタンク的ポジションにある「いよぎん地域経済研究センター」(IRC)によれば、ボーナスUpの理由として「社員のモチベーションアップ」が46.8%、次いで「定例給与引き上げに伴うもの」が35.8%、「業績好調」が31.2%とか。(n=109)
Downの理由は「業績不振」35.0% 「資源高・原材料高による収益減」30.0% 「従業員の年齢構成の変化(若返り)」27.5%。(n=40)
シニアなワタクシとしては最後のが気になりますが、今回取り上げたいのは9月の最低賃金引き上げのアンケート。
記事掲載は11月ですが、最低賃金引き上げアンケートとレポートのリリースは9月。
「最低賃金の引き上げの影響調査〜3割超の企業で引き上げ対応が必要 4割近くでマイナスの影響〜」
https://www.iyobank.co.jp/press-release/2022/__icsFiles/afieldfile/2022/09/20/22-478.pdf
(IRC Monthlyの記事には、このほかに「県内企業の声」が載っています)
引き上げ後も愛媛県は全国で最も低い水準。
(853円で全国加重平均より108円低い)
回答281社のうち34.5%、なんと1/3の企業が、新しい最低賃金のほうが高くなるので賃上げが必要と。
貧乏県すぎませんか。。。
でも都道府県別平均年収で見ると、愛媛県は真ん中より少し下ぐらい。
上下の差が大きいのかな。
でもこれよりもっと気になるのが、読後の違和感。。。何だろう。
まとめに持って行く終盤の論調がなんかスッキリしない。
最後の「図表ー8 経営への影響が最も大きな項目」でなぜか突然、賃金以外の二項目「原材料価格の高騰」と「新型コロナ」を持ち出した3択。
回答結果は「最低賃金の上昇」が5.8%とダントツで低い。なぜこの選択肢で質問?
レポートのサブタイトル「●割超の企業で引き上げ対応が必要、●割近くでマイナスの影響」ありきのシナリオでアンケートし、最後の3択で期待はずれな結果となったのを無理やりまとめ、取ってつけたかのような結語でなんとか形だけ整えた、的な違和感かな。
愛媛の第一地銀としてはどうしても「賃上げ=悪」の図式から外れたくなかった印象ですが、最後の3択を主題に置いて別のスタンス、例えば地域経済を力づける要因として賃上げを捉える論調があっても良かったんじゃないでしょうか。
冬のボーナスUpの理由の半分近くが「社員のモチベーションアップ」。
愛媛で地域との紐帯を大切にする経営者の皆さんは、社員のことや地域のことを、苦しい時期だからこそ真剣に考えてるように感じます。
※「みんなのフォトギャラリー」にゃこぱんさんのイラストを使用させて頂きました。
感謝です🍊