![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84421816/rectangle_large_type_2_c58ebfa6d68df43eb6c16e17f50795c8.png?width=1200)
Photo by
kyatapy
テーマ5.両極相和す
「両極相和す」というのは、ヘーゲルの弁証法でいうところの「アウフヘーベン(止揚)」に近い考え方で、矛盾する要素を発展的に統合する思考である。
二千三百年の時間と洋の東西を越えて、二人の哲人(老子とヘーゲル)の思考深化は同じような到達点に達したのだろうか。
さて、ここで書いた創詩は、章句全体の概念を踏まえて書いたのではなく、印象的な一文に心惹かれて想起したインスピレーションが多い。
老子は、人間の創造的な野心にくすぐりを入れるのが巧みである。
「人は不善なるものも、何の棄つることか之れ有らん」(爲道六十二)という一文から新約聖書のペテロの裏切りが頭に浮かび、
「大方には隅無く・・」(同異四十一)という一節では『氷川清話』の有名な逸話が思い出された。
いずれも章句全体の趣旨とは距離があるかもしれないが、個人的にはアウフヘーベン的につながっていると確信している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?