マイコン博物館の展示物たち その4 日立と富士通とその仲間たち
早いもので青梅まで出掛けてからもうそろそろ2ヶ月になります。はやく写真を整理して、再び訪れたくなっている今日このごろです。
ところで前回はTK-80からPC-8801シリーズまでのNECの8ビットパソコンをまとめたのですが、やはり王者の貫禄で思った以上にビューが伸びました(SNSも含めて)。とはいえ「スキ」の数はソコソコだったのでサイレント・マジョリティーというか記憶にはあっても控えめなユーザが多いのでしょうかね。
マイコン博物館の展示物たち その3 NECの8ビットPCたち
さて、今回は日立と富士通とその仲間たちということでまとめてみます。NECも含めていずれもパソコン以前に大型機の時代からコンピュータと縁の深い会社で、パソコンに乗り出したのも自社の半導体の周知、拡販という面もあったのでしょう。
日立はベーシックマスターという最初にパソコンを出した会社です。CPUは6800で、その後BASICをバージョンアップしたレベル2を出しました。レベル1とレベル2は見かけはかなり一緒です。まだ基板をケースに入れただけという感じではありました。
話題を呼んだのはレベル3で、高精度なカラーグラフィックも備え「ひらがな」が使えることが話題となりました。CPUも6809に進化しましたしね。
レベル3は人気が出たのですが、その後に富士通FM-8が登場し苦しい立場になりました。レベル4を出すのではなくマイナーチェンジや廉価版でしのぐ羽目になり、いわゆる御三家からは脱落してしまいました。
日立は大きな会社ですからパソコンばかりやっていたわけではありません。1983年にはハードディスクも搭載し漢字表示も出来るいわゆるオフコンも出していました。でも実にマイナーです。
同じく1983年にはMSXにも参入しました。電池で動作するわけではありませんが持ち歩きやすいデザインが特徴で、いつかはノートPCに参入したかったのかもしれません(結局MSXでは実現せず)。
ベーシックマスター - 日立のセンスが光るパソコンたち
さて、その日立から御三家の座を奪ったのが富士通のパソコンたちです。
CPUはベーシックマスター・レベル3と同じ6809ですが、1ドットずつ色が変えられる当たり前のグラフィック画面を持ち、これを制御するためにもう一つ6809を載せるという先進的な設計でした。同時にメインCPUがZ-80のバブコム80という姉妹機も別の会社から出ています。
どちらもバブルメモリという箱型の記録デバイスが特徴だったのですが、コスパに問題があって普及せず、これを取り付ける右上のトレイは他の目的に使われる始末でした。
FM-8は少しばかりお高かったので、FM-7が出てから売れ始めた気もします。画面を制御するサブCPUにメインからプログラムを送り込んで実行させるなんて言う芸当が流行りました。
時代は進みパソコンにフロッピーが内蔵される時代になり、パソコンでゲームを遊ぶということも一般的となって音も単なるビープ音ではなくゲーセン並みの音が出せるようになりました。
FM-7がホームユースに特化したので、上位機種としてFM-11が発売されました。素直な作りで16ビットCPUも選択できるものでしたが、ちょっと時代を追い越してしまったのか使われどころは限られたようです。
富士通ではなくてFACOMなんですが、オフコンとしてとても人気が出ました。「ビジネス向けってこういうことなのね」というのが盛り込まれていました。
番号の大きなFMシリーズは進化を続けオフィス向けPCとして一定の地位を築きました。
一般向けのFMシリーズも16ビットの時代になり今度はCDドライブを内蔵する時代になりました。縦型のドライブが使いやすかったかと言えば「どうだったかな」という覚えがあります。
忘れてならないのが富士通の日本語ワープロOASYSです。卓上型のものもありましたが、ノートPCが普及する以前に持ち運べプリンタまで内蔵しているワープロはとても便利なものでした。私も愛用していましたよ。
FM-77 - フロッピーや漢字対応で進化を続けた
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