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CASIO FP-200 - ハンドヘルド市場は難しい

電卓っぽさが残っていたポケコンから発展したモバイルPCの元祖とも言うべきハンドヘルドコンピュータが、キヤノンを始めいろいろな会社から出てきたのですが電卓の雄であるカシオも負けてはいませんでした。

キヤノン X-07 - モバイルデバイスの夢を見る

カシオはキヤノンと前後して1983年にFP-200をリリースします。CPUは8085互換のCMOSのCPUを搭載し、メモリは8~32K、大きさはA4サイズでフルキーを搭載しています。ディスプレイは20✕8行と大きめ(横幅は短め)で、160✕64ドットのグラフィックとしても扱えました。インターフェースもシリアルとカセット、プリンタ(ディスプレイはない)をつなげるようになっていました。

FP-200

カシオは前年にFP-1000およびFP-1100という普通のパソコンを出していたのですが、ハンドヘルドでも同じように10進演算のBASICを搭載していました。

FP1100 - 隠れた名機 カシオのPC

ハンドヘルドを活かすためなのか、FP-1000でも使えたCETLという簡易表計算ソフトを内蔵していました。画面が狭いので使うには少し窮屈なのですが、電卓では難しい表計算にパソコンとしての活路を求めたのでしょうか。

簡易表言語“CETL”にも対応したカシオのハンドヘルドコンピュータ「FP-200」

Casio FP-231CE(CETL)

http://basic.hopto.org/basic/manual/Casio FP-231CE.pdf

カシオあるあるなのが、筐体をチープに作ってしまうところがあって、キーボードも見た目以上にガタガタで打ち込み損なうこともあったようですし、電池カバーも良く見ると「置き時計ですか?」と思うところもあります(FP-1100もキーボードケーブルが太すぎです^^;)。

CASIO FP-200を引っ張り出してきた!

どこの会社もそのカテゴリーの最初に出す機種は試行錯誤があるものです。価格設定も手が出しやすい価格ではありますが激安とまではいっていません。この機種もなかなか素敵なスペックではありましたが、バク売れしたかといえばそこそこだった記憶があります。通信が一般的ではなく漢字も扱えない時代に、どのようにハンドヘルドを使いこなすのかという環境が整っていなかったのかもしれません。ですからFP-200も海外での評価のほうが高かったようです。

CASIO FP-200

結局、カシオはハンドヘルド市場は諦め、その後はポケコンに専念して、そちらは大変に人気があったように思います。そしてパソコンに関してはMSXで旋風を起こします。ゲーム機も出しますし携帯型機器では常に一定の地位を築くのですが、ハンドヘルドはその市場に中途半端なところがあったのでしょうか。

Casio FP-200 Operation Manual

http://basic.hopto.org/basic/manual/Casio FP-200.pdf

Casio FP-200 & FP-1021FD1 - Episode 1

CASIO FP-1100 - FP-200 - PB-100 - Speed Test!

ハンドヘルドコンピュータ

結局、このカテゴリは携帯型日本語ワープロに置き換わっていったのだと思います。ワープロはパソコンではないのですが、いずれ思い出してみますか。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Casio_FP-200_Tietokonemuseo.JPG
By MKFI - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=23513633

#レトロPC #CASIO #カシオ #FP200 #ハンドヘルドPC #CETL  

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