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いろいろなフロッピーディスク - 3インチとQD

正統派である8インチ(標準)、5インチ(ミニ)、3.5インチ(マイクロ)なフロッピーディスクについては、書いてみたのですが、これら以外のフロッピーディスクもありました。

3.5インチ マイクロフロッピーディスク


5インチの次により小さなサイズのものが登場するのは時間の問題だとは誰しも思っていて、ソニーが3.5インチを策定したのに少し遅れて松下と日立およびマクセルから3インチ・フロッピーの規格も登場しました。フォーマットとして5インチと互換性のあるものが採用され特徴的なのが入れる向きがわかりやすいように長方形の形をしていました。ベーシックマスターの外付けドライブやシャープX1Dなどに採用されたものの、海外向けの採用事例は見つからず普及に至らずに消滅の憂き目にあいました。当時の雑誌広告を見るとかなり頑張って推していたのですけどね。

3インチ - その他の規格

3インチコンパクトフロッピーディスク

この時代、ビデオテープに限らずいろいろなメディアで規格争いが勃発しており「今度は負けないぞ!」というソニーのゴリ押しが目立つこともシバシバでした。


フロッピーディスクの普及の足かせとなっていたのは、そのドライブの価格で、発売当初は本体よりも外付けドライブのほうが高いこともあったくらいです。徐々に値段はこなれてはきたのですが、それでもホームユースの低価格帯のPCに導入するには高すぎるものでした。コピーすることを考えると出来れば2台欲しいので、さらなる低価格化が望まれてはいたのですが、高密度化も進むので簡単に価格を下げられるものではありませんでした。

そこでディスクの形状としては似たようなものなんですが、記録方式をレコードのようにらせん状としてトラックを1本として原則としてテープのようにシーケンシャルに扱うように簡素化してドライブの価格を下げるというアプローチでミツミがクイックディスクというもののOEMを始めました。当時、普及しつつあったワープロを念頭においたものだったようですが、これがファミコンに採用されファミリーコンピュータ・ディスクシステムとしてかなりの数が出たようです。もちろんMZ-700といったパソコン向けの外付けドライブも出ていたハズです。

ファミリーコンピュータ ディスクシステム

任天堂としてもROMカートリッジと異なり、お店で生のディスクにコンテンツを書き込んで売るという方式は多くのメリットがあり、あまりパソコン向けが出回っていなかったことは複製防止にも効果があったのでしょう。もちろんそんな話も程度問題でしたけどね。


他にも特に装置のサイズが小さい場合にはメディアもより小さなものが欲しくなるので2インチサイズのフロッピーまでは見た覚えがあります(ワープロだったかも)。データの保存形式がそれぞれ独自だったので汎用性は求められなかったのですが、普及しないとメディアの価格が下がらないことが問題で、何しろたくさん使うものですから安いに越したことはありません。低価格帯のデバイスであれば何百枚も使うメディアの方が合計すれば本体よりも高いものになってしまいますからね。

いずれにしてもテープであってもディスクであっても磁気メディアというのはハードディスクを除けばヘッドと磁性体が接触するものですから長く使えば傷んでくるものですし、シャッターが付いていても表面に何かが接触して磁性体が剥離することだってあります。書き込み禁止はメカニカルに装置に伝えるものの磁性体の性質として常に読み書きが可能で、データを配布するという用途には向かないところもありました。またデータ密度を上げるにも限りがあり、光や光磁気なデバイスに取って代わられることになりました。

ヘッダ画像は、以下のものを組み合わせました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Maxell_Compact_Floppy_Disk_CF2-D_20050125.jpg英語版ウィキペディアのZilog Jonesさん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=52527による

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:FSC-TDRE_disk_20060830.jpg
boffy_b - 投稿者自身による著作物, CC 表示 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1116244による

#磁気メディア #フロッピーディスク #クイックディスク #ディスクシステム  

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