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アマチュア無線のマナー

「CQ、CQ、CQ。こちら JL1***。感度ありますか?」

そういえばハムフェアも開催されているようで思い出しました。

パソコンに手を出す直前の頃、それまで短波ラジオを聞いていたこともあって、アマチュア無線の資格を取りました。夏休みに塾に行くことも無いので、代わりと言ってはなんですが、講習に通うことにしました。

当時の講習で習ったのは、なんと「真空管回路」でした。教科書には二極管とか三極管とか出てくるのです。もう秋葉原でも、見ることは少なくなっていた代物です(パワーの出る最終段とかには現役でしたが)。

ですので、実際に使う無線機はトランジスタで、アンテナとかの話はともかく、せっかく覚えた知識も、あまり役には立ちませんでした。ただ、電波法の知識は、今でも何かと役に立っています。パソコンの世界で、こんなに無線技術が広まるなんて、想像もしていませんでした。

無線局を開くには、設備を用意しなければなりません。当時の流行は2メートルバンドで、たくさんのハンディが登場して、気軽に使える無線機として広まっていたところでした。せっかく無線局を開くのですから、少しは飛ばしたい、でも海外相手だと英語を喋らなければならないのでHFは避けたい。そこでバンド幅が大きい割には今ひとつ使われていなかった6メートルに目をつけました。これならアンテナも大きめとはいえ、何とか屋根に乗ります。

なお433Mは、まだ無線機がようやく出たということろで誰も使っておらず、1.2Gに至ってはアンテナとの導波管から自作しなければならないという時代です。

無線機の名前を忘れていたのですが、ググって写真を見たところ、手に入れたのはRJX-610だったというのを思い出すことが出来ました。

RJX-610(NATIONAL 6m SSB/CW TRANSCEIVER)

こいつは電池で動かすことも出来るSSBで、5Wの出力があるトランシーバでした。6メートルというのは、なかなか微妙な飛び具合で、アンテナが2階の屋根で、そんなに高くはないので、普段はだいたい23区内と隣接地域くらいまで飛ぶかな?という感じでした。

使いはじめてわかったのは、このバンドのSSB利用者は決して多くはなく、特にSSBの後ろの方は対応する無線機も少なかったので、相手を探すのに苦労しました。当然、他の人も同じなので、一日中、自分でギターを弾いて流し続けているなんていうラジオ状態の無線局もありました。SSBは音楽を流すのには向かないとは思いますけど。

ぼちぼちという感じで、相手を見つけては、交信をしていたのですが、あまり出会いもないので、ポータブル性を活かして、山に登って喋ってみるというのも始めました。これだと、結構、よく飛んで、特に夏に行くことが多いので、条件によっては100キロくらい飛ぶこともあり、なかなか楽しめました。ただ6メートルのSSBは少なかったです。

だいぶ慣れてきたので、新しいバンドにも手を出そうかと悩んだのですが、あわせてアンテナも用意しなければならず、二の足を踏んでいました。

SSBなので、声の高さはわからないはずなのですが、喋り方からどうしても子供であることはバレるようで、大きなお兄さんから、からかわれたり、電波を被せられたりして可愛がられることも、それなりにありました。誰でも聞くことが出来る公共の電波なのですが、何せ聞いている人がほとんどいないバンドなので、お世辞にもマナーが良いとは言えませんでした。これはヤル気を削がれること、この上なかったです。無線もネットも、仲良くできる良い相手が見つかるか、それこそが鍵ですね。

ソウコウしている頃に、パソコンへの興味が高まってきて、小遣いがそちらに行ってしまうので、無線はだんだんフェードアウトしてしまいました。でも無線で学んだ会話術がパソコン通信で繰り返されるとは、その時点では想像すらできませんでした。パソコンで通信できてしまうと、電波の技術的興味はあっても、見知らぬ人と出会うために無線を使う必要もなくなりますしね。無線のパソコン通信は手を出さずじまいでした。無線局の更新もしなかったので、資格だけは残っていますが、コールサインも無くなってしまいました。サークルの無線局は、数回しか使わなかったしなぁ。

そういえば無線でアルファベットを伝える時に Phonetic code というのを使うのですが(ジュリエット・リマ・ワン・…)、電話口でメールアドレスを伝える時に、うっかり使ってしまった事があります。相手は普通の方なので、クエスチョンマークが出まくっていることに気がついたことがあります。もう少し広まってくれると便利なんですけどね。


ヘッダ画像は、https://onwa-illust.com/material/4327/ から使わせていただきました。


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