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Casio PV-7 - MSXの異端児
新しいMSX0がなかなか完成しないようで、そろそろ少し熱も冷め気味なのですが、MSXネタはたくさんあるのでボチボチのペースで続けようとは思います。今回は、MSX界に衝撃を与えたカシオのPV-7です。
PV-7
電卓に続き、MSXでも価格破壊を行ったカシオの機種「PV-7」
MSXは、いろいろなバリエーションがありましたが、廉価版普及機でも5万円近くするものが主流だったのですが、カシオはここで価格破壊を試みます。価格ありきで削れるものは削りまくり、とにかく約3万円という価格の製品を投入したのです。
Casio PV-7
メモリはMSXの最低でもある8K、キーボードも安価なボタン型です。何とカセットテープ・レコーダを接続するにも別売りのアダプターが必要です。もちろん売られているゲームなどのソフトは8Kメモリでは動作しないものも多かったので、対応リストを作ってはいたようですが、結局、拡張ボードを使ってメモリを増やす羽目になった人も少なくなかったのではないかと思います。
MSX1:PV-7
Casio PV-7 (外観編)
CASIO PV-7 の内部写真
やはり価格の力は大きなものがあります。とりあえず「あのゲームがしたい」という欲求を満たすだけであれば、本体は安いに越したことはありません。MSXはパソコンではありますが、ゲームコンソールとしての地位も築いており、いかにプログラムが作れるかなんて言う人はもう少数派になっていたのかもしれません。カシオのMSXは売れに売れ、その意味で他のMSXが高く見えるようになり、よほどの付加価値がなければ売れなくなってしまったのも無理はありません。
MSX最安パソコンでゲームもプログラムも学んだ - カシオ計算機「PV-7」
旧世界の遺産を守れ! カシオ「MSX PV-7/PV-16」1984/198x
もちろんメモリが8Kしか無かったところで、プログラムの学習には充分です。短いプログラムであればカセットに保存しなくても毎回、打ち込んで遊べば良いのです。その方がキーボードにも慣れますしね(あのボタンキーボード、慣れればそこそこ打てるから不思議です)。
CASIO MSX PV-7 プログラムライブラリー
カシオは翌年にはメモリを倍増したPV-16も発売しましたし(これでようやく16Kメモリ)、その後はさらに小型化を図ったMX-10と続きました。ある意味、パソコンがパソコンであるには、何が必要なのかをあらためて問いかけた製品だったのかもしれません。
【MSX】カシオ計算機のMSXハード PV-7 のご紹介!【CASIO】【カシオ】
売れた機種なので当然、まだ中古で出回ることも多いようです。もっとも本体以外が入手できないこともあるので、改造して楽しまれている方もいるみたいですね。
MSX CASIO PV-7を改造してメインメモリーを32kバイトに増量
MSXパソコン Casio PV-7 -- CMTインターフェース
MSX Casio PV-7
カシオはMSX2に向かわずにMSX1のまま撤退してしまうのですが、そこにはいったいどんな事情があったのでしょうね。
ヘッダ画像は使えそうな写真を見つけられなかったので、canva でAIに創ってもらいました。
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