アンサートーカー考察2(ガッシュ2での扱い)

前記事で整理した効果、能力定義を踏まえ、ガッシュ2におけるアンサートーカーについて考察する。
アンサートーカーという設定は、雷句先生の才能が爆発した発明であり、ガッシュ2でも使われるのか?という点は、誰もが気にするところだと思う。

1 前記事で定義したアンサートーカーの効果、能力


(作中描写から推測した完全にオリジナルの定義。)
①問いを設定した場合に発動
②「人間界」に「現在」存在する情報から答えが導ける場合に、答えが瞬時に浮かぶ
③「答え」だけが分かり、理由や過程は分からない
④答えの精度は、問いに関する実物を見ないと下がる
⑤物理的、論理的に無理なものは無理
⑥人間界以外からの新要素は織り込めない
⑦⑥がある以上、描写されていないだけで、例外は存在し得る。つまり、不確定な要素により回答が変わる可能性はある。

詳細は前記事参照


2 ガッシュ2のpage2で、清麿はアンサートーカーの能力を使用したか?


    page2で清麿は、人間の身体能力では絶対に敵わないと思われるワイグと対峙した際、攻撃をかわしまくり、不意をついて転ばせ(二回)、急いでいるはずなのに会話に集中させ、結果、時間を稼いでゼリィを逃がすことに成功しつつ生還するという、「さすが俺たちの清麿!」というべき離れ業をやってのけている。では、ここで清麿はアンサートーカーの能力を使用しているのか?
清麿がpage2で成功させた行動と、外見の描写から考察する。

①時間稼ぎ



    page2の清麿の目的は、ゼリィ達を逃がすまでの時間稼ぎである。時間稼ぎの最善はワイグを倒すことだが、攻撃手段のない清麿には不可能であり、ルール⑤から答えは出ない。
    したがって、次善の策である挑発、回避、攻撃、会話を駆使して足止めすることになると思われる。実力差から考え、回避し続けることは不可能であること、時間稼ぎは成功していることから考えると、アンサートーカーが発動している可能性はある。
    ただし、清麿の頭脳、胆力なら発動していなくてもできるレベルの行動でもある。二回転ばせるのは常人離れしているが、ギルは、倒すという答えが出せたことではなく、度胸に驚いているようにみえる。裏を返せば、度胸さえあれば優秀な頭脳があればできるという描写ではないだろうか。

②情報収集


    ルール②と⑥から、ワイグ達の正体はアンサートーカーでも明らかにできるかは微妙。ただ、バックボーンや目的は無理でも、ワイグ達が人間界に来ている以上、ワイグ達についての何らかの情報はアンサートーカーでも得られる気もする。描写上は、ワイグ達について清麿が突き止めたのは「魔物ではない」という一点のみで、これはアンサートーカーがなくても清麿の洞察力ならわかりそう。
    ガッシュの生死や魔界の状況は、アンサートーカーでも分からないため、時間稼ぎも兼ねて、ワイグ達に質問している行為は、能力発動の有無の判断材料にはならない。

③生還(ミッピの助力あり)


    生還する手段を初めから念頭に置いていないような無謀な振る舞いは、アンサートーカーにより、生還のための答えが出せる確信があったからである可能性はある。ミッピの正体が魔物であることに助け出されるまで気付いていないが、ルール③により、生還するための答えにミッピの正体は含まれないため、矛盾は生じない。
    しかし、自分のことは二の次で他者のために動けるのが清麿の美点であり、無謀な行動はアンサートーカー使用の根拠にはならない。

④外見


    アンサートーカー発動時の特徴である、渦巻き状の目にはなっていない。が、よく見るとザケルガをワイグが使った後のシーンで、1コマだけ渦巻き状になりかけている。外見だけから判断すれば、この瞬間だけアンサートーカーを一部発動しており、他のシーンでは発動していないということになる。が、目の渦巻きは発動と100%連動するわけではない。

⑤結論


    以上からすると、page2の展開からだけでは、アンサートーカー使用の有無は分からない。いずれの行動も、清麿ならアンサートーカーなしでもできる行動である以上、基本的には使用してないのかなという気はする。使えばもっとスマートに切り抜けられたんじゃないかな。
    ただ、唯一、ザケルガを撃たれた瞬間の目の描写は、やはり発動を表しているように思う。清麿に関していえば、これまで渦巻きになっている場面では必ず発動していたことから、無意味に目の渦巻きを書いたりはしないいだろう。加えて、あの瞬間は清麿自身の命の危機に加え、ガッシュの生死や魔界の危機といった情報が押し寄せ、極限の状態だったことを考えると、アンサートーカーが常時発動できない状態だったとしても、あの瞬間だけ発動してもおかしくはない。瞬時にザケルガを回避し、ミッピと協力して身を潜めて生還するという「答え」を出したのではないだろうか。

3 ガッシュ2において、清麿にアンサートーカーの能力はどの程度残っているのか?

   ここまでの考察を総合すると、ガッシュ2における清麿は、少なくともアンサートーカーの能力を自由に引き出せる状況にはないと思われる。
    理由は作者次第ではあるが、デュフォーのトレーニングにより一度は自在に引き出せるようになったものの、毎日長時間トレーニングを継続しなければ失われてしまうと言われていた、あたりではないだろうか。清麿としては、ガッシュを王様にした以上、あえてアンサートーカーの能力を所持し続けたいとは思わなかった。そして、トレーニングの時間を遺跡の発掘にあてることで、自分の目で見て世界の謎を解明しようと考えたとすれば納得がいく。ルール②⑥により、清麿が最も関心を持つであろう魔界のことは、アンサートーカーでも分からない可能性が高いのだから、尚のことである。
    なので、アンサートーカーの能力はもはや自由に使用できなくなっている、しかし、本当の危機にだけは発動するというのがガッシュ2における清麿の現状だと思われる。アンサートーカーの能力を持っているなら、子供達に貧乏暮らしをさせることもないだろう。

4 今後の予想
    


    ここまでの考察を前提にすると、次回あたりでアンサートーカーに関する回想が入り、「やっぱりトレーニング続ければ良かったかな…」と清麿が考えるコマが入りそう。
    その上で、どう扱うかという点については、徐々に取り戻すと予想する。いきなり最強というのも読みたいが、ワイグ、ギル程度の格の相手に完全アンサートーカーが発動すると、簡単な攻撃手段を手に入れるだけで楽勝になってしまう。修羅場を乗り越えながらかつての力を取り戻すというのが展開的にも熱いんじゃないだろうか。取り戻す頃にガッシュと合流し、全力コンビでも苦戦するような大物に、かつての仲間達と立ち向かうような展開が見られたら最高だな~と思う。改めて今後が楽しみな漫画である。

最後に

長文を読んでくださりありがとうございます。ここは違うんじゃないか?とか、別の考察等ありましたらコメントいただけると嬉しいです。

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