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【解説編③】コンフォートゾーンについて

前回は心理的盲点(スコトーマ)について解説しました。今回は解説編第3回ということでコンフォートゾーンについて解説していきたいと思います。

コンフォートゾーンとは

コンフォートゾーンという言葉自体はよく耳にする人も多いかと思いますが、認知科学の中ではホメオスタシスのことを指します。ホメオスタシスとは恒常性維持機能のことで、身体を一定の状態に保とうとする機能です。この機能は心の世界でも存在しており、それをコンフォートゾーンと表現しています。

コンフォートゾーンは2つ持てない

例えば、人間の体温を考えてみます。ある人の平熱は36.5度に対して別の人は36度が平熱であるように1人1つ平熱を持っています。しかし、平熱が2つある人はいないことから我々の脳はコンフォートゾーンは2つ取ることはできません。

これは心の世界も同じように存在しています。心の世界では人間の心のことをゲシュタルトと表現しますが、こちらも同じ原理で2つ同時に取ることはできません。

コンフォートゾーンとモチベーション

ここで重要になってくるのがモチベーションという概念です。モチベーションとはコンフォートゾーンに戻る力のことを意味します。我々の身体機能で考えると、気温が5度になっても40度近くなっても我々の体は平熱36度を維持しようとします。これが心の中にも存在しており、我々の無意識レベルでコンフォートゾーンとしているところに戻ろうと強い力がかかるのです。

コンフォートゾーンをズラす

上で記載した通り、コンフォートゾーンは2つ取ることはできません。また、コンフォートゾーンに向かって戻ろうとする力(モチベーション)が強く働いています。しかし、コンフォートゾーンズラすことはできます。コンフォートゾーンは最も臨場感が湧く位置に存在しています。そのため、最も臨場感が湧く位置を現状からゴール側に移動させるのです。仮にゴール側にコンフォートゾーンが移ったとすると、ゴール側に戻ろうとする力(モチベーション)が働くので無意識レベルでゴールへの行き方を脳が考え始めます。

これによってスコトーマが外れてゴールへの道筋が見えるようになるのです。そのためにコーチはゴールの方に臨場感があるようにクライアントを押し出してあげることが役目となります。

これから

このように我々の脳はコンフォートゾーンに向かって戻ろうとする強い力があります。その力学を利用してコンフォートゾーンをゴール側にズラしてそこに向かって能動的に動けるようにするのです。しかし、1度コンフォートゾーンをずらしたとしても外圧によって現状に戻されることがあります。その外圧とは何なのか、それを跳ね除けるセルフトークについて次回は解説したいと思います。

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