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【解説編②】心理的盲点(スコトーマ)について

前回はエフィカシー(自己効力感)について解説しました。今回は解説編第2回ということで心理的盲点(スコトーマ)について解説していきたいと思います。目の構造として盲点が実際に存在することは一般的に知られている事実だと思います。その盲点が心理的にも存在するいう話です。

心理的盲点(スコトーマ)とは

我々の脳にはRAS(Reticular Activating System)という機能が存在しています。RASとは極力必要な情報以外脳に何も入れないという機能です。我々は日常生活で目から様々な情報を得ています。それらの情報を全て記憶・処理していると本当に必要な情報を逃してしまいます。そのため、無意識レベルで自分が必要だと思う情報だけを処理しているのです。イメージとしては、脳に情報として入るにはRASという堅牢な防壁が張られていて、そこに必要な情報だけが通れる門が存在しているようなものです。

スコトーマを生み出すRAS

スコトーマはRASがあることで発生します。RASとは極力必要な情報以外脳に何も入れないという機能です。そのため、脳が無意識レベルで重要ではないと認識した情報は脳に入ってこないような状態になります。これは日常レベルでも発生しています。

例えば、車に興味がなかった人が車を買おうと決めたとします。すると、その瞬間から道を歩いていると車種やメーカーなどの情報が目に入るようになったりします。それは自分が注視しようと意識レベルで考えているというよりは、無意識に情報が目に飛び込んでくるという感覚に近いのです。また、子供が生まれて父親になった人がいたとします。すると、父親になった瞬間から「こんなに街に赤ちゃんはいるのか」、「ベビーカーのメーカーってどこのだろう」といった思いで風景を見ることになります。

ゴール達成のプロセスはスコトーマに隠れている

スコトーマは過去の成功体験や型といったものでも発生します。〇〇をしたことで成功したという体験がある人がいたとします。その人は〇〇の体験に自信を持っているわけですから、それ以外の手段を試そうとは思いにくい状態になります。そのため、もっと成果を出す手段が存在していたとしてもそれはスコトーマに隠れてその人からは見えない状態になります。

これはゴールを設定したときも同じく発生します。ゴールは現状の外にあるわけですから、達成までのプロセスはゴール設定時点で見えていません。そのプロセスが見えるようになるためにはスコトーマを外すことが重要になります。しかし、スコトーマは盲点なので、自分1人で気付くことは非常に難しいのです。そのため、コーチがクライアントの2つ目の脳として貸し出すことによって盲点に気付くことができるのです。

これから

スコトーマは無意識レベルで発生しているものです。無意識レベルでの意識はコンフォートゾーンと深く紐付いています。次回はそのコンフォートゾーンについて解説していきます。

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