《歩く男》アルベルト・ジャコメッティ
男の腕を
おもむろに握る
心を押し込むように
細さが特徴といわれる
ジャコメッティの彫刻です。
けれど、決して削ぎ落として行った感じは受けないので
「細い」という言い方は言葉が与える印象として
少しずれがあるかも知れません。
一言でいうならば「長さ」の彫刻でしょうか。
例えば《歩く男》の腕は、
通常の長さでだと、なんだか満足できなくて、
少しづつ長くした気がします。
そしてどこまで伸ばしてやめるのか、
その試行錯誤の中、
腕があの長さまで伸びたところで、
ジャコメッティ自身の感覚との折り合いが付いた気がするのです。
もしかしたら、
試作品の中に、
腕の長さが違う物があるのかも知れません。
【美術詞】短い言葉でアートを表現
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