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メタ認知について その2 空間と時間


空間的メタ認知


通常の場合メタ認知は自分を俯瞰して見ることなんだけど、俯瞰という言葉にとらわれてしまうと空間的なメタ認知になってしまう。もちろん空間的メタ認知も必要ではあるが、他人からどう見られているかばかりを気にしていることになってしまい、空気を読むことにつながってしまう。もちろん、上手なひとは時々で役回りを変化させ、全体を動かすのだが、それはそれでコロコロ変わると思われてしまう。世阿弥の離見の見も元々は舞台芸術のための必殺技のひとつと思うと、空気や役回りといった要素は絶対に必要だったはず。

時間的メタ認知


しかし、そこで終わらないのが大事。空間的なメタ認知に加えて、時間的なメタ認知の導入をおすすめします。導入というか意識の向け方です。時間的に自分を定点観測することが重要。
世阿弥先生は序破急、守破離、初心忘るべからず(世阿弥的には初心は年齢的に7段階の初心があって、それぞれの年齢に応じた対処法があるよと言っている)など、時間軸を伴った変化を必殺技として見出している。しかも、短い時間から、人生という長い時間軸までを用意して待っている。自分を観測対象として、ミリ単位を計る物差しとキロ単位を計る物差しに同時に乗せている。そこがすごい。

メタ認知や離見の見を時間と空間に無理矢理分けたが、実はこの2つは間違いなくセット。
一度は別々に捉えておきながら、切り離してはいけない。
つまり、周囲と自己の時間的な変化を観察しながら、アジャストしていくのがメタ認知である。アジャストという言葉をカッコつけて使ったが、フィットでも、マッチでもない、アジャストがいい感じ。

そもそもメタ認知する際に、時間による変化を観測しなければ、まったくもって意味がない。去年できなかったこれが今年はできるようになった。昨日とここが変わった。さっきの発言と今の発言のズレがあるかも。とか、日常の様々な場面で意識的にならなければ、自己を見れていない。

今こそ必殺技を繰り出すとき


離見の見は秘技であり、必殺技。かめはめ波とかライダーキックみたいな瞬間系の技ではなく、生涯に渡り、身につけつつ向上させる技。
しかも、今のように社会の状況やひとの気持ちが目まぐるしく変わるときこそ、この必殺技をマスターしておく必要がある。

そのへんは明日また。

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