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【メラトニン】メンタリストDaiGoさんの薬機法違反について

2021年3月12日、東京都福祉保健局がメラトニンサプリを薬機法違反と判断し、報道発表しました。

東京都福祉保健局の報道発表

上記ページ内に下記の記述があります。

いわゆる健康食品において医薬品成分を含むものは医薬品とみなされ、厚生労働大臣の承認を受けることなく製造販売されたものを販売・授与等することは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)で禁止されています。

メラトニンが入った商品は、日本国内では医薬品とみなされます。そして、日本国内で医薬品を広告・販売する場合、医薬品として厚生労働省から承認を得る必要があります。

そのため、「メラトニンが入っているけれども医薬品として承認を得ていない商品」を日本国内で広告・販売すると、薬機法違反になります。

メラトニンが医薬品とみなされることは、下記のPDFファイルで明記されています。

専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト|東京都福祉保健局

現在の日本国内の情勢

現在の日本国内では、メラトニンサプリが違法な形で広告・販売されているのをたまに見ます。

違法な広告をしている事業者の例としては、メンタリストDaiGoさんが挙げられます。メンタリストDaiGoさんは学術論文を切り口にYouTube上でサプリメント等を紹介していますが、その中でメラトニンサプリを広告している動画があります。

前述の通り、メラトニンサプリは日本国内向けに広告・販売すれば薬機法違反となります。

また、販売だけではなく広告も禁止されています。メンタリストDaiGoさんはメラトニンサプリの製造も販売も行っているわけではありませんが、広告を行っているので、薬機法違反をしている主体者と言えます。

なぜ薬機法違反をしてはならないのか

そもそもなぜ薬機法違反をしてはならないのか、というところに疑問を持つ方も多いでしょう。

さまざまな価値観や立場があり、論点もさまざまです。これを書いている筆者の土橋一夫としては「遵法意識の高い事業者の利益を守ること」、またそれを通して「消費者の利益を守ること」を重視しています。

遵法意識の高い事業者の利益を守る

前述のメンタリストDaiGoさんのような広告手法は、法律を知っていて、なおかつ法律を守る気のある事業者であれば、絶対にやらない手法です。

しかしながら、前述のメンタリストDaiGoさんのように「メラトニンで眠りの質が高くなる」と言いつつ日本国内向けに広告すれば、たくさん売れて儲かります。

そもそもメラトニンはサプリメントとしては日本国内で広告・販売ができないので、競争相手も少ないです。違法な商売ではありますが、違法性を許容すれば儲かることは明らかです。

つまり、遵法意識の高い事業者ができない商売を、違法な事業者が行って儲けている、ということになります。遵法意識の高い事業者は相対的に損をしています。

消費者の利益を守る

また、違法な事業者が広告・販売をするサプリメント等は、信頼できません。

法律を守る気がない事業者の商品に対しては、あまり安全性を期待しないほうが良いだろうと思います。

また、無知によって結果的に違法行為をしてしまった事業者については、何らかの形で他の専門的な知識も欠落している可能性がある、と筆者は感じます。

海外からの輸入について

なお、前述のメンタリストDaiGoさんが勧めているメラトニンのサプリメントは、海外のショップから購入できるようになっており、メンタリストDaiGoさんの動画概要欄にも購入リンクが置いてあります。

海外のショップ自体については、日本の国内法は適用されません。なので、日本の法律である薬機法は、この海外ショップへ直接的には適用されません。

しかし、広告を国内向けに行っていれば、その広告事業者には薬機法が適用されます。

今回のメンタリストDaiGoさんの動画は日本語の動画ですので、日本国内向けを意図した広告であるだろうと思います。このYouTubeのページや動画は日本国内のスマホやディスプレイに表示されることがほとんどのはずですので、この広告には日本の国内法である薬機法が適用されます。

海外からの輸入ということで細かな論点はありますが、メンタリストDaiGoさんが薬機法違反をしていることは明らかです。

メンタリストDaiGoさんが「単なる演者」なら

このnoteは、今回のメンタリストDaiGoさんの動画はメンタリストDaiGoさん自身が企画・構成しているという前提で書いています。

もし、この動画の企画・構成を、サプリメントの販売者や製造者が行っており、メンタリストDaiGoさんが「単なる演者」に過ぎないのであれば、メンタリストDaiGoさんにかかる違法性は非常に薄いと言えます。おそらくは「単なる演者」ではないだろうと思いますが、一応言及しておきます。

解説動画

前述のメンタリストDaiGoさんの動画については、私も動画を作成して違法性を解説しています。非常に冗長なので見る価値は低いですが、一応貼っておきます。

違法な事業者を野放しにしていれば、適法な事業者が相対的に儲からなくなり、インターネット広告業界やサプリメント業界に「違法な事業者」しか残らなくなってしまいます。

ぜひ、事業者の皆様には、法律の範囲内での事業を進めていただきたいと思います。

以上

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