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noshの #薬機法違反広告 (口臭も消して歯も白くなるらしい魔法の粉末)

下記記事を拝読した。

この記事で言及されている広告ページは下記だ。なお、私が見たときにはこの広告ページは既に消されていたが、archive.isに記録されていた。

医薬部外品 薬用マウスウオッシュ nosh
https://archive.is/NRhBq

販売元企業は「株式会社FUMENT」。企業サイトは下記だ。

前述のnoshの広告ページは、archive.isに残っていたページを見る限り、薬機法に照らして違法ページと言える。以下に主な違法ポイントを記述する。

なお、この記事では科学的事実に関しては一切検証しない。広告表現の法規制について違法である点のみに言及する。

❌他社誹謗

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引用元: https://archive.is/NRhBq

「一般的なマウスウオッシュやガム・歯磨き粉は口が臭くなる原因になっている」との記述がある。これは薬機法違反の表現だ。

この表現は「他社誹謗」という類型の違法表現である。下記に、東京都薬務課資料を引用する。他社製品を引き合いに出し、それよりも自社製品が優れている、と表現することは、薬機法に照らして違法表現だ。

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引用元:東京都薬務課資料

❌体験談表示

体験談表示・実例表示している箇所もある。これも違法表現だ。

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引用元:https://archive.is/NRhBq

上記引用では、口の写真とともに

「口をゆすぐだけで本当に自宅で口臭対策できるなんて感動です」
「歯も同時に白くなって大満足です」

と記述されている。これらは、効果に関する使用体験談にあたるので、薬機法に違反した表現だ。

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引用元:東京都薬務課資料

体験談での違法表現が、このページ内にはたくさんある。下記もそのひとつだ。

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引用元:https://archive.is/NRhBq

これも体験談を使った違法表現と言える。

なお、この体験談表示には但し書きがある。その部分を拡大しよう。

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引用元:https://archive.is/NRhBq

「個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。」と記述されている。この表現は、以前は逃げ手としてよく使われていたが、現在はこれを書いても、違法か否かの解釈には影響しない。今回の場合で言えば、体験談表示しているから、その時点で違法と解釈される。「個人の感想だ」と書いても、意味はない。だから、この体験談は違法表現だ。

❌医薬関係者等の推せん

「歯科医が推薦している」かのような表現もある。

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引用元:https://archive.is/NRhBq

この歯科医がこのnoshを推薦している、という旨の表示だと認定されれば、この表示は「医薬関係者等の推せん」の類型の違反だ。

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引用元:東京都薬務課資料

医薬部外品の広告の中で、医師が推薦している、と表現すると、「医薬関係者等の推せん」にあたる。

なお、今回のページでは、この歯科医の写真が載っているにもかかわらず、この歯科医からの直接的な推薦の文章が載っていない。その点では、この部分としては適法とみなされる余地がある。

しかしながら、もしこの歯科医がこのnoshを推薦していないのであれば、なぜこの歯科医の写真をここに載せたのか、ということは問われるだろう。このページ作成者が、その問いに対して法に沿った返答ができなければ、この部分は「医薬関係者等の推せん」と認定されるだろう。

また、前述の通り、仮にこの部分として適法だと認定されたとしても、他の部分で言い逃れのできない違法表現が大量にある。ページ全体としての違法性は、まず間違いなく認定されるだろう。

少し調べたところ、この田村絵里医師は、「女医プラス」というサイトに名前が載っている。女医をキャスティングするウェブサイトだ。このサイトからキャスティングされたのかもしれない。なお、当然ながら外部の人間である私からは、契約関係があるか否かは全くわからない。

いずれにしろ、今回見たnoshの広告ページは、違法広告だと断言できる。

GoogleAdsenseについて

今回のnoshの広告ページは、GoogleAdsenseに出ている、ということで話題になっているようだ。確かに、私も見た記憶がある。

ただ、私はGoogleAdsenseに同情的だ(本記事最下部に追記あり)。GoogleAdsenseは、他の広告プラットフォームと比較すれば圧倒的にクリーンだからだ。

GoogleAdsenseにおける違法広告は、常に一進一退している印象だ。違法広告が増えたり減ったりを繰り返しているように感じる。

一方、他の広告プラットフォームでは、常に違法広告の比率が高いものも存在する。私が最も問題視しているのはログリー株式会社だ。また、他にも同じような状態の国内資本企業がたくさんある。

AkaNe(GMO)やSpeee、Zucksなども、GoogleAdsenseと同様の広告の仕組みを提供している。そして、それらが流している違法広告の比率は、私の肌感覚としてはGoogleAdsenseよりも格段に高い。

それらのサービス・企業は、知名度が低いぶん、違法な広告を流し続けても話題になっていないのだろう。もし気が向く人がいたら、「怪しい広告」を見た際に、その広告の配信事業者がどこなのかを確認してみてほしい。Googleはマシなほうだ、ということに納得感を持ってもらえると思う。

ただ、マシであれば良い、ということにはならない。違法広告を排除できないのなら、その商売は止めたほうがよいかもしれない、とも言える。

今の情勢では、インターネット広告を貼ると、違法広告がセットでついてくる。一方、Webメディアは、貴重な収入源である広告を剥がすことができない。

違法なインターネット広告が、インターネット全体を席巻し、壊しつつある。

2021年12月6日 追記

この記事を書いたタイミングでは、筆者は「GoogleAdsenseはクリーンだ」と考えていた。しかし、2021年12月6日時点では認識が変わっている。現在のGoogleは大量の違法広告を放置している。GoogleはEvilになった、と現在の筆者は認識している。

以上


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kazuo dobashi
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