トヨヒルブルーベリーの朝_episode1
今日も夕暮れと共に一日が終わっていく。
このハウスの中のブルーベリーたちも、長い夜を越えて、朝をじっと待つのだろうか。
そんなことを思っていると、突然「びゅうっ」と吹いた冷たい風が、ある詩を連想させる。
人の一生と同じく、ブルーベリーにも一生がある。
芽を出し、蕾ができ、花を咲かせ、やがて実をつける。
”人間の一生”という時間の尺度で測ってしまうと、あまりにもあっけないが、たしかにここに一つの命の物語がある。
「人は一人では生きていけない生き物である」
よく聞く言葉だ。
そしてまた、ブルーベリーも一緒なのだ。
ブルーベリーは、種にもよるが自分自身の花粉では受粉しにくい。
一つの品種だけを栽培しようと思っても、難しいのだ。
そして、異なる種を植えればそれでいいという訳でもなく、花粉を運んでくれる蜂の存在がいて初めて果実をつける。
(花粉を運ぶ蜂はマルハナバチが最もよいとされるらしい)
この小さなハウスの中では、花粉のリレーが昼夜おこなわれているようだ。
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