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作品解説①

改めまして、カズノと申します。

主にポートレート(人物の写真)を撮影しており、昨年(2022年)写真展に初めて出展しました。

ポートレートを始めた当時は、自分の写真を人様に見ていただくとは思いも寄らなかったのですが、気がつけば2022年だけで合計7回も出展していました…

どのようにしてポートレートを撮り始めたのかについては、また別の機会に…

[出展への第一歩]

写真の展示を見に行く機会はもちろんありましたが、「ポートレート」が主題の写真展は、自分で撮り始めてから意識して足を運ぶようになりました。

そんな折、とある写真展で「体験出展」というデータ提出するだけで写真を展示していただける枠があるのを見つけました。

展示をするということ自体への興味はあったので、これなら自分でも出せると、思い切って申し込むことに。

その時の作品はこちら

モデルは「えもりもえ」さん
https://instagram.com/emori_moe

そして実際に自分の作品が展示され、来場者の方々に見ていただいている様子に、得も言われぬ満足感を覚えました。

一方で、同じ会場の、自身で出力、装丁して展示されている方の作品を拝見すると、引け目に思うという程ではないものの、若干の名残惜しさのような感情も残りました。

データ提出だけの展示を経て、自分の中での展示に対するモチベーションが高まっていたこの時、たまたま別のポートレートの写真展の出展者募集を見かけたのです。

しかも作品のプリントから展示まで全て自分で準備する形式のもの

あまりにタイミングの良いこの巡り合わせ、次の一歩を踏み出すなら今かなと感じ、直ぐに出展することを決めました。


前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、2022年5月に北千住のギャラリー1010(マルイのあるビルの11F)で開催された「クロス展」に出展した作品を解説させていただきたいと思います。

この写真展は「PASHA STYLE」というポートレートのポータルサイトが主催した写真展。


[作品の背景]

この作品のストーリーの着想は「童話」です。

私がポートレートの作品、特に写真展に出展するものについては、事前にストーリーを考えて、それを写真で表現するという作り方をすることが多いです。

本格的な展示に初挑戦ということもあり、この時の作品のストーリーは込み入ったものではなく、あくまで簡単なもの。

多くの人にとって、初めてストーリーというものに触れるのは、やはり絵本が大半なのではないでしょうか。

そういう意味でも、初めて考えるストーリーに童話を選ぶのは私にとって自然な流れだったのかなと。

それに自分の表現したい要素であるちょっとしたダークさを加えました。


では早速作品を御覧いただきたいと思います。


[ストーリー解説]

今回の作品のタイトルは「森の魔女の誕生」

主人公は無垢ではあるが、神秘的な力に対する秀でた素養を持っている少女

その才能に目をつけた森の魔女の企みにより、その叡智を継承するための「果実」を口にしてしまい、

人の世の理から外れ、自身が新たな森の魔女になってしまった

ただ、継承の負荷に耐えきれず、片方の目が失明してしまい、眼帯をすることに

その容貌から、彼女は「隻眼の魔女」の二つ名でも呼ばれることとなった


[撮影のロケーション]

今回のように現実から一歩外れた物語を表現するにあたり、どこで撮影するかということは非常に重要でした。

そのため、以前よりSNSで見かけ、気になっていたこちらのスタジオを予約

このスタジオの非現実的な、メルヘンさも併せ持つ空間は私が想定したストーリーとしっくり馴染んだように感じました。

ちなみにこちらではスタジオ利用者に限り、美味しいお茶とケーキをオーダーすることもできます。

気になる方は是非こちらもお試しください。

桜のシフォンケーキと紅茶

[展示の振り返り]

一から十まで自分で準備するのが初めての手探り状態

何から手を付けるべきかを、ネットを検索して調べ始める始末(汗)


幸いなことに、過去に行った写真展で出展者の方からプリントを発注できる会社をお聞きしていたので、迷わずこちらにオーダー。


また作品を装丁するための額も持っていなかったので、印刷した写真をパネル加工(プリントした写真をポリスチレンのボードに貼り付け)をしていただくことで、何とか展示できる形にまで持っていけました。


[しくじりその1]

もちろん最初の展示から全てが上手く言ったというわけもなく、初めてのハンドメイド展示だからこその失敗も…

今回は全部で3枚の作品を展示しましたが、その全てを違うサイズで出力しました。

A2 (420×594mm)サイズでプリント
A3 (297×420mm)サイズでプリント
A4 (210×297mm)サイズでプリント

当初の意図としては、一番強調したい写真を大きく、変化の前後をつなぐ写真は一番小さく、と考えておりました。

ところが、いざ展示してみるとサイズ違いの作品が3点、というのはレイアウト的に少し見づらく感じました。

また、せっかくそれなりの画素数で撮影したものを小さくプリントとするというのも、後から考えると気になるポイントでした。

仮に全て同じサイズならそこまで気にならなかったと思うのですが、明確に大きさに違いがあったため、サイズ差がより際立って感じられ、小さい作品の存在感が薄れてしまったように感じました。


[しくじりその2]

もう一つが写真集を作らなかったことです。

実際、ポートレートの写真展では作品以外に写真集(いわゆるブック)も展示されているのを多く見かけます。

一瞬を切り取るというような趣旨の作品など必ずしもブックが必要ではない場合ももちろんありますが、

今回の私の作品のように明確なストーリーがある場合は、写真集を用意し多くのカットを見ていただくことで、より物語を理解し、没入しやすくなるという側面はあります。

展示した3点の作品はストーリーを伝えるには必要最小限、むしろやや少ない位

つまり写真集を作れば、より手軽に作品を理解する助けになったかもしれないわけです。



ストーリーの解説と謳っておきながら、それ以外の枝葉が多くなってしまいました笑

写真展に出展するということ自体が意外と大変なんだ、ということを少しでも感じていただけましたでしょうか笑

ですので、もし今後写真展に行かれることがございましたら、温かい目で見ていただけたら幸いです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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