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Poem from India 〜 インドからのメロディ🇮🇳 vol.3 "牛とヒトとの関わり"

ヒンドゥー教では、牛は「神の使い」とも言われる神聖な生き物で
本当に、路上でもあちらこちらで目にする。
そして、エリアによって、その牛と遭遇する割合や、体型が異なっていたりもする。
(これを観察すると、少しそのエリアの様子が分かったりもする。)
どうも、近年都市化が進み食物が減ったことにより
牛も痩せ細っていたりするらしいー。

さて、所謂「野良牛」と言われる
路上で暮らす牛は、路上のゴミをメインに食べている。(以下のような記事もある)
(https://www.afpbb.com/articles/-/3334967?cx_amp=all&act=all&_gl=1%2a1gj3zsx%2a_ga%2aY1U4c3ZpQVNqVlVCZVpTOVB2SGZMNjlweE1kOXdqVm9FU1RJUmdtWDJYdE1WN2dkc1VFWHVFRklXZTVFUlVNNw..%2a_ga_E7KXCKSWLG%2aMTcwMDE0NDY5OS4xLjEuMTcwMDE0NDY5OS4wLjAuMA..)

一度、ローカルの友人から「生ごみなどは路上にそのまま捨てても、動物たちが食べるからOKだけどプラスチックはダメ」といっているのを聞いたことがある。
「何故?」と聞くと、「プラスチックは、牛が喉に詰まらせて死んでしまうから」との回答があった。
なるほど。ゴミを燃焼処理したときの環境負荷の問題ではなく、一番身近に路上でいる牛に影響するのか…と衝撃を受けた覚えがある。
(とはいえ、こんなことを皆が意識している訳ではなく、路上で売られているアイスクリームの包装フィルムや、何らかのパック容器などのプラ製品はよく道端に捨ているのを見る。)

因みに、インドのストリートでは野良犬もかなりの数いる。
そして、狂犬病発症者数も多いようだ。
これらの、「野良動物」が多いのは、宗教(主にヒンドゥー教)とも関係があるようだ。ヒンドゥー教徒、その他宗教は動物の殺処分などを嫌うようだ。

一時期、「野良牛や野良犬が路上の生ごみなどを食べたら、ゴミの処理を商業的に行わなくともエコではないか」とも思ったのだが
やはり、そう簡単にはいかないのだ。
そんなにいいゴミ(食料)ばかりが路上に落ちている訳ではなく、これらを食べた牛は体調を崩してしまったり、栄養バランスが悪く(もしくはそもそもゴミが少なく)痩せ細って病気になってしまっていたりしている。
いくら「神の使い」とのことで大切にされ、その通行などは優先されようとも
食料が与えられる訳ではなく、このような状況となっているのは、何とも可哀相な事実である。

インドのビーチリゾート、「ゴア」では牛が砂浜で草を食べているのを見たし
本当に、牛はインド中どこにでもいる。
そして、牛を見るたび「インドにいるなぁ〜」という気分になる。

さて、我々日本人は「牛」というと食用のイメージが強い。
実は、インドに暮らしている方は誰も食べない訳ではなく、ヒンドゥー教(インド国内では約8割程度と言われている)以外の方を中心に、一定数食べる方はいる。
韓国系の焼肉屋や、ステーキハウスなども存在し、食べることができる店を探せば、食べること自体は可能である。
そして、この牛や、"buff"と呼ばれるバッファロー(水牛)は州によって、レストランで提供可能な州や、そうでない州もあったりする。
この辺りは、宗教が混じり合っている分、まだまだ画一的ではないし
カオスな面もある、インド。本当に奥深い。
そして、インドは牛肉輸出量最大の国でもあるらしい。ヒンドゥー教の方は、当然加工しないと思われるので、人口の17%程度を占めると言われる、ムスリムの方などが加工するのであろう(因みに、マーケットで、鶏やマトンなどを売っている方もムスリム系の方が多かったりする)。

ところで、ヒンドゥー教の方は神の使いである牛の"肉"は食べないものの
ミルクは、かなり消費しているようである。
インドで誰しもが飲む、チャイ(ミルクティー)にはミルクは必須だし、「クルフィ」と呼ばれるアイスクリームにも、たっぷりミルクは使われている。ベジタリアンカレーにもよく登場する、"パニール(=インドでかなりメジャーなカッテージチーズ)"ももちろんミルクを使っているし、ミルクやバターを使うカレーもたくさんある。
こう考えると、ミルクは我々日本人より消費量は断然多いかもしれない。
ベジタリアンの方も多いインドでは、乳製品は貴重なタンパク源なのだろう。

さぁ、これからこの牛たちの行方はどうなっていくのだろうかー。

もしかすると、牛と人間の関わりや、その変化を観察することによって
この国の変化や、思想の微かな変化などを垣間見ることもできるのかもしれない。

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