私の車事情:え?3/4返し?
あのころ
夫ジェイのおんぼろバン、ドッジくん(Dodge)にはほとほと困っていた。
思い返しても、今までのカナダ生活で一番あっぱれだったと自分ながらに思うのは、あのバンを運転し続けたことである。
最初の大きなトラブルは運転中に前方から蒸気が吹き出たこと。ジェイがまだ元気だったころである。
なんせドアのない車を運転していた過去のあるジェイは、そんなことくらいでオロリともしない。
次は真冬。
スーパーマーケットの駐車場で突然動かなくなった。
買い物カートいっぱいに食料品を買い込み、さあ家に帰ろうとした時である。
実は少し前からドッジくんの様子が思わしくなく、ジェイの知り合いのスリランカ人兄弟の修理屋に持って行くと
電気関係の故障だ。うちでは修理できないけんど、ギアが入らなくなったらよ、ここんとこ開けてよ、この小さな四角んとこさ、ペンか棒でつつけばいいさ。
え~~@.@ 棒でつつく・・・!?!?!
そんなことがあったのでボールペンを車内に常備していたが、ギアどころか、ライトは付くもエンジンがまったくかからなくなった。
スーパーマーケットの駐車場で私は途方に暮れた。
外はマイナス16℃
ジェイが循環器病棟に入院中の頃である。
入院と言ってもジェイは元気で電話をすると、一晩様子を見て、朝、運良く動けばそこからすぐのカナディアンタイヤに修理に持って行けばいいと言った。
仕方ないので、買い物の中からレタスなど凍ってほしくないものだけを取り出し、家まで20分の雪道を歩いて帰った。
朝方にはマイナス20℃には落ちるだろう。肉類などはバンの中で凍らせておけばいい。
さて翌朝、ジェイが予測していたようにバンは運良く動いて、カナディアンタイヤに乗っていくことができた。
これで修理できるとほっとしたのもつかの間、受付で
調べるとあなたのドッジの不具合はリコールに当てはまります。
ディーラーに持ってってください。修理無料ですよ。
え?持ってくって・・もう動かないかも・・いや動かないんです・・
牽引車を頼んでくださいね、ハイつぎの方・・・
お願い~ここで修理しちゃってください~もう修理代いくらかかってもいいんです~
思わず叫びそうになった。
その様子を近くで見ていたお兄さんが
ちょっとスマホかして
と私のスマホを取ってサクサクと指を動かし戻って来た画面を見ると
牽引予約
押せばいいだけの受話器マーク
そんなわけで私は生まれて初めて
牽引車を頼み
やってきた熊のようなおじさんに
私も一緒に牽引トラックに乗せくれと頼み
そんなでっかいトラックに乗ったこともなかった私は
その熊のようなおじさんに
おしりを押し上げてもらってやっとトラックに乗りこんだ。
のちにこのくだりをカナダ人の友人に話すと
これでキミもカナディアン!
と大いに歓迎された。
その他ドッジくんの小さなトラブル
ジェイが亡くなった後さすがにドッジくんとはおさらばすることにした。
そうなるとちょっと寂しく写真を撮っていたら
中はサ、サビだらけ・・
よくぞ275822km走ってくれました・・・涙
いや、これくらいは大したことないかも
↓この誰かさんのバンに比べたら。
全く視界のない猛吹雪の高速道路をジェイの病院からこのドッジくんで帰宅した日のことが思い出された。
この状態でよくぞ戻ってこれた。
さてそんなわけでドッジくんがいなくなった今、マイ・カーのない私はこの田舎町では生き延びるのが困難な絶滅危惧種となっている。
間借り人のEが時々気を利かせて彼の車に乗っけてくれるのだが、実際のところ、まったく気乗りしない。
なんせ彼の車も超おんぼろなのだ!
ワイパー動かないし・・・。
車が動き出すとカラカラ、カラカラカランとどこからか音がする。
なので、永住権カード更新の写真を撮りに行くのに私はレンタカーをする。いちばん安いエコノミー、コンパクトカーを予約しておく。
ウーバーでレンタカー屋さんに到着すると
受付で渡されたキーが GMC terrain SUV
予約したのと違うんですけど
というと
Well~XXXXOOOOXXX
ハン?
おねぃさんの言うことが全く聞き取れない。
あらンごめんなさいン、あたしアクセントがつよくて・・・
くるま、これしかないの~
んで~
ええ~と、いま3/4しかガソリン はいってないので、リターンはそれで
ええ~~満タン返しじゃなくて3/4返し????
それ難しすぎやしませんかあああ???
まんたんで80リットルよ~
だいたいでだいじょうぶ
じゃあね~
というわけで、なんだか知らないが、生まれて初めてのこのメーカーのSUVに乗って写真屋さんへ~
サンルーフも全開に超快適なドライブが楽しめた。
ガソリンどうしたかって?
予め何リッターかなあと計算して行ったが、ガソリンスタンドでまさかのドル表示。そうだった!しばらくガソリン入れないので忘れてた!
ノズルを持ちながら計算巡らせ$38分?
もちろんそんな選択肢はなく
選べるのは $20、 $50、 $100。
仕方ないので$50入れるとほぼ満タンになってしまった。
でもレンタカー屋さんにいた今日の受付のお兄さんに話すと
だよね~難しいよね~!
そう言ってレンタカー代から$20を引いてくれた。
そういえば以前レンタカーをして車後部の下方部に丸い穴が開いた。高速道路で前方のトラックから砂利が落ちて来たことがあったので、確証はなかったのだが、その時だと思った。
それで返却の時にどうなるかとドキドキしていたら、レンタカー屋のおじさんは車体の確認をしないまま裏の方に乗って行ってしまった。
なんか後ろめたい気がして後で契約を確認すると
ゴルフボール以上の大きさのダメージがあった時
とあった。
もちろん保険に入っているのだけれど、
なんだ気にすることなかったんだ、あの穴は少なくともゴルフボールより小さかった!
傷ひとつなくピカピカに磨き上げられた車ばかり走っている東京は、リッチな夢の国である。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。