くすッな話 400 #8 それ、お持ち帰り下さい。
一年の半分ほど住んでいる(過ごそうと思っている)東京の家は二階寝室の真下に、車が一台やっと通れるほどの道がある。眠らない東京では、真夜中でも早朝でも人や自転車が通りすぎていく。
夏場窓を開けて寝ていると、携帯で話す声などがすぐ近くに聞こえてくる。
あした渋谷10時 なのね。
ひょっとして彼女ともめてる?
その鼻歌なんだっけ?(自転車で通り過ぎていくお兄さん)
彼らは自らの世界にあまりに気を取られていて、薄暗い通りの頭上で寝ている人がいることなど考え及ばない。
あるとき
きっと誰もが聞いたことがある、あのいや~な音が聞こえてきた。
夏の早朝だったか。
おじさんの
ゲホガホ ガガガっ
そして
ペッ
私は思わず寝床から
汚っ~!!!
その声は開け放した窓からおじさんに届いたはず。
ドキッとして振り向いていたかもしれない。
でもあたりには誰もいない。
持って帰ってよ!(犬の糞のように)と叫ぼうと思ったが声の元が知れると思ってやめた。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。