Dual Residence:サくら&りんゴ #15
都庁が遠くにそびえ、坂を下ると神田川。
水平線から朝日が昇り、窓辺で水鳥の飛来を眺めるシムコー湖畔。
そんな東京とカナダ・オンタリオの二重生活を綴ります。
杉並のサくら、Innisfilのりんゴ、つたない言葉で。
しばらく留守にしていたので、ご近所散策
居ない間に変わったことあるかな
ま、ほとんどないと思うけれど。
Adams road から公園へと続く道。
すこぶるいい天気である。
気温はまだひんやりしているが、これは紛れもなく夏の光である。
ま、まさか住めている?というようなコテージもあれば、趣向を凝らした可愛い家もある。
平日の午前中は通りも静か。
今日はゴミの日なので。生ごみの緑とプラスティックの青と紙類のグレイのゴミ箱が各家庭の前に出されている。リサイクルゴミの収集が2週間に1度に減ってしまったので、どの家庭のもごみ箱からあふれている。Stay homeだしね。
公園では夏の準備。
車でボートなどをけん引してきて、ここから湖へ。
駐車場にはそんな車ばかり。
しかしこんな大きなボートを引き連れて、よく運転できるなと感心する。交差点を曲がる時など。
公園の前では家が三軒並んで売りに出ていた。
オンラインでの仕事が定着して、街から引っ越してくる人が多くなり住宅価格高騰中の湖畔エリアである。それに乗って住民がこぞって家を売り始めているのだ。ビーチクラブのある湖沿いでは、もはやウチが一番の古株になりそうな勢いである。
さてInnisfilの目抜き通りはビーチロード。
ガソリンが随分高くなっている。昨年末は78-80まで下がっていたのに。ちなみに電光板表示の129.3 は¢でリッター当たり。110円くらい。
新しいお店発見!!
よく見ると大麻のお店ではないか。いったいどんなものがどんな風に売られているのか私には想像もつかない。
こちらはちょくちょく行っていたベイカリーBruno。なんせこのあたりパン屋さんがない。日本を離れて恋しくなるのは意外や意外、パン屋さんである。規制でカフェスペースが営業できなくなっていたので、つぶれていないかと心配していたら、改装して品ぞろえが増えている。
パンは追いやられケーキの種類が充実。
サワードーのデイツとナッツ入りパンを買う。
そう言えば、長らくの規制Stay at home orderのせいか、こちらに戻ってきたら知り合いがこぞって太ってしまっている。元お隣だった人など、誰だか分からず 訝し気に対応して、訝しがられてしまった。変わらず細いのは、しょっちゅう胃の調子を悪くしているMarcだけである。
公立の学校が閉まっているので、外で遊ぶ子供たちの姿を見かける。
Excuse me!
そう言ってキックボードで勢いよく私を抜かして行ったのは、中学生くらいの男の子たち三人。
こちらは図書館
Seed libraryというコーナーがあって、野菜や花の種をタダで分けてもらえる。その代わり収穫した後、その種をお返しするのである。種のより分けのボランティアに何回か参加したが、それも去年から閉まっている。
スーパーのSobeysは変わらぬ様子。
すでにスイカがごろりごろり。
まだまだ種類豊かなリンゴたち
ヘルシークッキングクラスをオンラインで取っていて、次の課題がプロバイオティックフードとしてのサワークラウト作り。キャベツを買わなければならない。
これはストーンヘッドと呼ばれるキャベツである。三浦半島のやわらかい春キャベツを食べ慣れている身としては、おそろしいほどの硬さと重さである。一度ナイフを入れると刺さったまま抜けない。
充実のワインコーナー。
しばらく寒い日が続いたので、薪が店頭に出ていた。
30℃を超えたと思ったら翌日は4℃まで下がり、とにかく気温差が激しい。
帰りにLaurieの家の前を通りかかると、お茶に誘ってくれた。
ペアとリンゴとシフォンケーキ。
日本からのお土産、きな粉のクッキーをいたく気に入ってくれている。
二階の浴室に洗面用のシンクがない話をしたら、前の住人が置いていった物があるからそれをくれるという。見ると蛇口のないシンクが外の壁際に立っている。
最近私も力をつけてきたとはいえ、これを担いで持って帰って、自分で取りつけるのはさすがに無理だろうと思う。
そんなに難しくないと思うよ。
とLaurieは言うけれど。
Margaretなら、旦那さんと家を4件建てて売ったと言っていたから、取り付けてくれるかもしれない。
友達とお茶して洗面所のシンクをもらって帰るって、まあ東京ではありえない話。
このあたりでは要らなくなったものがよく家の前に出されている。欲しい人は勝手に持って行く。壊れたスーツケース、足が釣り合わなくなったガラスのテーブル。出しておいたらすぐなくなった。
以前、ひとつ向こうのブロックでトイレをタンクごと出しているのを見かけた。
しばらくはあったが、そのうちなくなっていた。
しめしめと誰かがトイレを車に積んでいる様子は、なんだか面白すぎる。
さて今日のご近所散策のハイライトはなんといってもカーディナルである。木の枝の先っちょでヒュリヒュリヒュリと鳴き声を上げている。すると遠くから返事が聞こえるのである。またこちらでヒュリヒュリヒュリヒュリ。するとまたこだまのように返ってくる。くちばしを突き出し、思いっきり胸を膨らませて呼んでいる。その一生懸命さが何ともかわいい。
そしてその赤が空の蒼に映えることと言ったら。
この地では
曇りの日には
重りをつけたようにすべてを
モノクロの世界に閉じ込めてしまうのに
一度太陽が出るとその光は
生あるものも
ないものも
ひとつ残らず色鮮やかに生き返らせてくれる
この地に戻って来る理由のひとつがそこにある。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。