私の好み。

プロフィールにも書いてある通り、私はイケメン好き。
所謂「面食い」というやつだ。

38年前の当時はまだ幼稚園で「母の日」や「父の日」の行事が盛んに行われていた。
(今は家庭の状況を考慮して行事そのものがなかったり、「家族の日」なんて言葉に変えている園もあるそうですが)

例に漏れず、私が幼稚園の4歳児の時、父の日当日である日曜日に父親参観があった。
普段の送り迎えは母がしていたので、初めて父が幼稚園に来たことがとても嬉しかったのを覚えている。

その参観の内容は、参加したお父さん達が向き合って腕を組み、その上にうつ伏せになった子どもが乗って腕の上を進んでいくという、遊園地のアトラクション顔負けのものであった。

室内でも一緒に何かを作ったのだろうが、その記憶など一切ない。
あの園庭で、お父さん達が向き合って作ってくれたあの腕の上をキャッキャ言いながら運ばれた記憶しかないのだ。

きっとその父親参観に参加したお父さん達は、今の私よりもだいぶ若いであろう。
それでも、ひとクラス約40名いる子どもたちを腕で運ぶという初めての行為に、きっと普段使わない筋肉を使い、次の日は腕が上がらなくなり、仕事にならないお父さんもいたのではないだろうか。

次の日の月曜日は振替休日。
もちろん、その日の記憶など一切ない。

仕事へ行く父と、小学校へ行く兄を送り出したら、母と二人で家で過ごしていたのだろう。

火曜日は普通に幼稚園へ。
母の自転車の後ろに乗り、幼稚園の門の前でおろしてもらい、「いってきまーす」「いってらっしゃーい」というやり取りをして、玄関へ。
(※私が通っていた幼稚園は、自転車や徒歩で来た園児は、保護者は園庭に入らず、門の前で子どもを送り出していた。)

いつもと変わらない普通の日。
その日の出来事が私の人生を変えた。(大袈裟)

朝から知らない先生にたくさん話しかけられる。
(※私が通っていた園はマンモス園で、一学年10クラスくらいあったので、知らない先生がたくさんいた。)
担任の先生以外に、今までこんなに話しかけられたことなかったのに。
会う先生、会う先生、みんなに話しかけられるのだ。
それもみんな同じ言葉を口にする。

「さいかちゃんのお父さん、かっこいいね!」

と。

もちろん、担任の先生からも。

当時、私が「かっこいい」をどう捉えていたかは謎だけれど、その日に何度も言われたその言葉が嬉しかったのか、母に報告していたようなので褒め言葉ということは分かっていたのだろう。

それから私は、異性を見るときに顔を意識し始めたのだと思う。
まだ4歳なのに…!!


卵型の輪郭。
パッチリ二重の目。
長い睫毛。
スッとした高い鼻。
口にそこまでの特徴はないけれど。
どちらかといえば濃い顔。
加えて、スリムな体型。
身長は172と、そこは普通。

贔屓目をぬきにして、かっこいいらしい。
私のお父さん。

私の基準がここに誕生。
もちろん、人それぞれ好みはありますが。

この時から「私のお父さんはかっこいい」と意識するようになり、私の好みかが決定したのであった。

毎日その父を見ていたら、その顔が普通になるよね。
かっこいいのが普通になるよね。

その後、小学生になった時にも節目節目に同級生から「さいかちゃんのお父さん、かっこよくていいな」と言われることになります…。

そして、これはファザコンへの道へと繋がっていたのでしょう…。

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