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地域区分の試みを続けて 4

ついに滋賀県の地域区分ができました。
滋賀県には「長浜エリア」「彦根エリア」「東近江エリア」「甲賀エリア」という県内のみで構成されるエリアがあり、大津市や草津市などは「京都エリア」に府県をまたいで属している形となりました。

滋賀県の特徴としては、県庁所在地である大津市が、エリアの中心地とはなっていないことや、県境をまたいで交流する地域が大津市周辺に限られているということでしょうか。滋賀県でも米原のほうへ行くと、岐阜など東海地方のにおいが感じられるのですが、通勤通学調査を基にしたこの研究では、滋賀県が全域近畿地方に属するにふさわしいといった結果となりました。

というわけで、滋賀県の地域区分についてはこれで一区切りです。同様の手法でほかの都道府県も分析していければ面白いなと思っているところです。

が、しかし・・・

全部塗りたい!!

いや、それを無理にやろうとすると正確さがおろそかになるし、無理なものは無理。だからあきらめなきゃいけないのですが。
でもまあ将来の塗り分け完全制覇に向けて、残った2つの市の分析だけでもここに残しておきましょう。

高島市 自市内就業通学率79% 大津市へ7% (5%未満は省略)
野洲市 自市内40% 守山市9% 草津市7% 大津市6% 京都市6%

このように2つの市を並べてみると、性質が異なることが一目瞭然。
高島市が、通勤通学をほぼ自市内で完結してしまうのに対して、野洲市は他市町へ分散して流出し、どこか1つの市町に依存というよりも周りの市町にまんべんなく流出していることが分かります。

ここで、前者を「独立型」、後者を「交流型」と定義したいと思います。
独立型の場合は、その市の中で完結しているので、名前を冠して1つのエリアとみなすのがふさわしいでしょう。一方で交流型の場合は、自分の市で完結せずに、ほかの市町に依存しているわけですからエリアの代表として名前を冠するにはふさわしくありません。

では野洲市が具体的にどの市町に依存しているか、もう一度詳しく見ていきましょう。野洲市が依存している市のうち、大津市は京都市の第1次エリアであり、草津市、守山市はそれぞれ京都市の第2次、第3次エリアとなっています。また野洲市は直接京都市に依存していることも分かります。

このことを考えると、野洲市はほぼ完全に京都市エリアとの交流が深いことが読み取れます。ということで、野洲市は京都市エリアに含むことにします。京都市の第4次エリアとしましょう。

高島市を独立エリアと定め着色
野洲市は京都市の第4次エリアと定め、薄い同系色で着色
同時に地名を削除した

やった!これで全部塗れたぞ!! でも…

塗ってみて違和感。なぜここに、高い境界があるのか?
野洲市と守山市の間です。たしかに隣の守山市との間では9%流出にとどまり、これまでの規則通りに処理するとこうなります。10%を超えてやっと細い線になるからです。
でも、野洲市の人が京都市や大津市、それに草津市へ行くのに、どこを通っていくのか?それを考えると、ここに高い境界があるということはあり得ません。通勤通学者の28%がこの境界を行き来する計算になりますから。

ということで、境界に修正を加えましょう。

野洲市と守山市の間の境界線を太線から細線に変更

ついに完成です!お疲れさまでした。自分!!
まさか投稿しながら、うまく全部塗れるまで考察が進むとは…

ではまた、次回は他府県版をアップしたいと思います。またお付き合いいただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

(おわり)


追記<図の改良>(2023.09.23)
滋賀県らしく琵琶湖を入れてみました。
くどく感じたので、極太線を少し細くしてみました。


クリスタのベクター線の太さ変更を使ってみたのですが
一部きれいに細くならなかったところがあったりと、少し満足していません。
気が向いたらもっときれいな図に仕上げて発表したいと思います。

(追記終わり)


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