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地域区分の試みを続けて 3

さて、さきほどの図では、矢印がまたがっている市町どうしの交流が深いことは分かりますが、逆に、交流がほとんどないお隣どうしというのも示したくなって作成したのが次の図です。

次のルールで市町境界を3種類の太さで表現してみた

通勤通学者総数に占める流出者の割合が…
双方とも5%未満:極太線
少なくとも一方から5%以上10%未満:太線
少なくとも一方から10%以上:細線

例えば長浜市から見た場合、彦根市のほうが高島市よりも交流が深いということがわかります。このように市町境界をその交流度合いによって区別して表すことで、地域区分という目標にぐっと近づいてきました。
ちなみに、これは県境部分にも適用しています。

次に、交流度合いがさらに深い部分に焦点を当ててみます。
10%以上の流出を矢印で表していますが、これらのなかには20%以上という大きな流出も含まれています。これを別の方法で表せないか?
ただ、矢印を太くするといった手法では、図が煩雑になりかねません。
で、考えた結果、

20%を超える矢印の根元に着色し、
矢印の先にも同じ色で着色してみた。

通勤通学者の20%以上もの人々が、日々その地へ流出しているわけだから、その地への依存度がかなり高いわけであり、いっそのことその地のエリアに組み込んでしまおうではないかというわけで、合併したみたいに同じ色にしてしまいます。あえて濃淡はつけません。ここまでくるともう地域区分作業はかなりすすんできました。

こうなるともう少し塗りたくなります。たしかにこのままでも、色地についた矢印は、白地についた矢印よりも強力だということはわかるのですが、図的に何か中途半端な気がするからです。

というわけで、矢印が集まっているところにも着色して、さらにその矢印の根元にも若干薄めの同系色を塗ってみることにしました。若干薄めにしたのは、あくまでここは10%~20%流出の地であり、さきほどのように、 20%を超えるほどの強いつながりはないということを示すためです。

滋賀県だけの図なので示されていませんが、京都市は京都府内の多くの市町村から矢印が向けられているため、濃いピンクで着色されています。わかりにくいのですが、大津市(京都市の右側)は、京都市の濃いピンクを若干薄くしたものです。

また、草津市は京都市へ10%以上の流出があるものの、矢印が他市町から複数付されているため地名を追記しました。ただし最初の規則と異なるため明朝体で表しています。中心地の度合いが弱いことが示されるかと。あと、着色については後ほど考えることにします。

そのほか、東近江市と甲賀市の間にある日野町は矢印が双方に出ているのでどうするか迷ったのですが、流出の数値が大きいほうを優先して着色することにしました。中間地点であるにもかかわらず一方の色で塗られてしまうことになり実態をうまく表せないかとも思いましたが、矢印が残っているので大丈夫かと…(日野町からの流出:甲賀市へ17%・東近江市へ12%)


これで地域区分はほぼ完了です。ただ、まだ白いところが気になる。塗りたい… 

というわけで、塗りました!
矢印が出ているにもかかわらず無着色のところに目を付けました。
矢印を順にたどっていくと、いま都市名の書いてある大きな町に行きつく、ということは、まあ縁があると考えていいのではないか?
たしかにその大きな町に直接多数の通勤通学者が向かうわけではなく、あくまで隣の市町との関係が強いだけなのだが、その隣町はさらにその隣の大きな町に依存しているわけで…
ある市町に、直接10%~20%流出でつながっている市町を「第1次流出エリア」とし、その第1次流出エリアである市町と10%~20%流出でつながっている市町を「第2次流出エリア」と考えようではないか。そう考えるとさらに塗れる!

塗りたい=さらに地域区分したいという思いの一心で定義したのではあるのですが、果たしてこれが実態を反映するのか自信はありません。でもこの考え方でいくと、第3次、第4次…とつなげていくこともできます。当然関係はかなり薄くなっていくので、着色も、どんどん薄いものにしようと考えてはいます。

(4話へ続く)

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