葉ばかりの藤棚の下に座って、月を見上げた。人のいない公園は時間が停まっていて腕時計の針はちっとも進まなかった。早く朝にならないかな。月ってあんなに大きかったっけな。夜空の月よりも詩の中の月を思い浮かべる方が容易いと言ったのはボルヘスだけれど、彼自身の目が見えないことは後で知った。

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