自分のインタビューを自分で解説してみる
先日、戦術的な観点におけるサッカーの捉え方と、それを体系化していくプロセスなどを主に話した、インタビュー記事が公開されました。
そのほかにも、私が「エンターテイメント」にかける想いや、監督としてのキャリア像など、別の視点からもたっぷり話をさせて頂きました。まだの方は、ぜひこの記事を読む前にインタビュー記事(前編・後編)をお読みください。
今回は、このインタビュー記事の補足として、自分のインタビューを自分で解説してみようと思います。観点としては、以下の2つ。
①:「インテンション・サイクル」理論における肝の部分が抜けているため補足
②:この理論には「何が期待できる」のか「何が従来と違う」のか、などの説明
②のトピックとしては、以下の「6まで」順番に1項目ずつ軽く説明をしていきます。
それでは、いきましょう。
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まず前提として、サッカーの捉え方を体系化するにあたって、満たしていなければならないポイントが2つあると思っています。
①中身(理論が0→1になる過程・根拠)が複雑である
②ただし、外身(選手にピッチ内外で伝える部分)は単純である
つまり簡単に言えば、ものすごく緻密に言葉の選択が行われ、矛盾点なく図表で表現されており、数回説明を聞かなければ理解出来ないくらいの複雑性を持っているのにも関わらず、一度理解してしまえばシンプルに感じられ、選手にピッチ内外で伝える時は、非常に簡単に説明ができる理論、が理想だということです。簡単すぎても意味がないし、選手に伝わらなければ価値は0です。
またインタビューで答えた「インテンション・サイクル」がなぜ出てくるのか、という話になると、その前段階の理論「競争闘争理論(Competition and Struggle Theory)」という考え方があります。何回かnoteでも書きましたが、もう少し複雑です。この理論があるから、ある答えが導き出され、それが「インテンション・サイクル」を必要とする、という流れです。そこからトレーニング理論へと展開していきます。
「競争闘争理論(Competition and Struggle Theory)」に関しては、スポーツ界全体に意味のある理論だと思うので、執筆をして本にまとめる予定です。どれくらいかかるのやら…
では本題に入ります。
トピック①:「インテンション・サイクル」理論における肝の部分が抜けているため補足
大事なこととして、インタビューで話をした意思のサイクルは、ペナルティエリアよりも手前の話です。
つまり、インタビューの記事内ではこの図が貼ってあったと思いますが…
正確には、こうなります。
日本語訳はすみませんつけてませんが気にしないでください。つまり、白の部分はこのサイクルを基準にプレーが行いますが、グレーの部分ではまた異なる振る舞いが必要になる、ということです。
私はここを「ボックスゾーン(以下BZ)」と呼んでいますが、BZに入った場合は「意思が強制」されます。自陣のBZであれば「相手ボールに向かう」という意思が強制され、敵陣のBZであれば「相手ゴールに向かう」という意思が強制されるので、はやくorゆっくりという部分は取り除かなければなりません。理由はわかると思います。
よって「BZ以外の振る舞い」と「BZにおける振る舞い」は、別々でトレーニングをしなけばならない、ということになります。BZの中は、さらに細かくスペースを定義し、位置によって振る舞いを変える必要があります。自陣敵陣のBZの振る舞いが、得点できるか、失点を防げるか、を大きく左右します。
ここからは、色々と想像して考えてみてください。
トピック②:この理論には「何が期待できる」のか「何が従来と違う」のか、などの説明
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