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蹴球症候群

他分野を通してサッカーを解明し、サッカーを通して他分野を解明する
サッカー、またはサッカー以外の分野から日々何を学んでいて、何に気付いて、何に疑問をもち、どんな風に…
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2021年9月の記事一覧

異邦人として生きること——。村上春樹と小坂井敏晶

外国に行く・暮らすということには、やはり意味がありそうである。なぜ、意味があるのか。あるいはなぜ意味を見出すことができるのか、その理由は人ぞれぞれなのだなと、当たり前のことに最近気がつく。というより、外国に行く・暮らすことの意味や、意義や、価値、なんでもいいけど、そのことに対して自分が自然に答としてもっていたものが、なんとなく変わってきているなと感じることも(最近になって)あるし、はたまた、他人に目を向けてみると、自分とは全然違う理由で外国に行く・暮らすことの意味を見出してい

【記録.5】力まずに力を入れることができるか

なぜ人は力むんでしょうか。筋肉に力を入れてください。関節が曲がらなくなります。つまり(身体が)動かなくなる。それなのになぜ人間は、自分がしていることに想いが強ければ強いほど、力み、動けなくなってしまうのか。 鎌倉インテルの監督としてピッチに立つようになってから、早いもので9月も終わりに近づこうとしていて、ぼちぼち一年の終わりを意識し始める段階になりました。また一つ新しい景色が見えるので、記録していこうと思います。 公式戦は4試合 Photo: Kazuki Okamot

「6:30 a.m.」というものを始めます。

この度「6:30 a.m.」というものを始めます。そのままなんですが、早朝6:30から話しませんか、という提案です。 話す内容は問いません。オンライン形式ですので、チケットのご購入後メールにてZoomのURLをお送り致します。「6:30はちょっと…」という方向けに7:45の枠も設けました。 誠に勝手ながら、売り上げの30%(月毎)は『ビックイシュー基金』に寄付させて頂きます。 私は大体いつも朝6時前くらいには目が覚めて、本読んだり、文章を書いたり、時にはテレビを観て過ご

“理不尽”とは新興宗教である——。スポーツから暴力がなくならないメカニズム

減ってきていると信じたいですが、昭和と平成を経て、令和になってもなお、世代が変わろうがなんだろうが、スポーツ(体育)の世界から理解に苦しむ過度に制圧的な指導や、理不尽な訓練、または暴力がなくなりません。これは噂でも幻想でもなく、小さな子供たちのコーチが子供に対して制圧的になんちゃってサッカーコーチをしている現場は、いまだに見かけます。 これは、なぜなのか。 子供たち自身が、その指導に対して疑問を持つのは至難の業です。大人の言うことに抗うことができる子供は、日本社会の構造上

対談症候群 #2|中野崇(スポーツトレーナー / フィジカルコーチ)

#対談症候群 第2回目のゲストは、多くのプロアスリートを指導・サポートするスポーツトレーナー/フィジカルコーチ/理学療法士で、株式会社JARTA international 代表取締役の、中野崇さんです。 今回は生配信形式で行いましたが、楽しく、新しい知見をたくさん学ばせて頂きました。ぜひ、ご覧ください。 中野崇 1980年生まれ スポーツトレーナー/フィジカルコーチ/理学療法士 株式会社JARTA international 代表取締役 大阪教育大学教育学部障害児教育学

「止まる」こととは——。はたから見ると「動いている」ように見える時

画家が筆をとめて、描いていた絵を少し離れて見ている時。料理人が出汁を口に含んで味をみている瞬間。会話の中でピッタリくる言葉を探して、話すのを止めている時。『自分をいかして生きる』西村佳哲より 「動く」ために必要なのは「止まる」こと。逆説的だけど。ほとんどのことに共通して、動くことより、「止まる」ことの方が難しいと思っている。難しいことには、価値がある。 30歳を手前に、最近はよく「止まる」ことの難しさについて考えている。加えて、実感している。歳を追うごとに、油断していると

曇った朝に。

【7冊】これから読む本と、そのきっかけになった本(+最近の本の選び方)

部屋に積読している本のうちいくつかを紹介したいと思います。またその本を買っておこう(読もう)と思ったきっかけになった本や出来事を合わせて書いていきます。誰かの興味を外に広げるお手伝いができれば幸いです。 1.『異邦人のまなざし 在パリ社会心理学者の遊学記』小坂井敏晶 正直この本がどんな内容のものなのか厳密には分かっていないんですが、小坂井敏晶さんの本をAmazonで検索して、いちばん彼自身のことを知れそうな本を選びました。というのも、彼の著書『社会心理学講義〈閉ざされた社