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【コロナ奮闘記②】保健所からの連絡からホテル隔離まで

前回までのあらすじ

【10/27(火)15:00】保健所から電話

病院で『コロナ』と申告を受け、絶望のまま帰宅。

これからどうすればいい。皆さんに真実を打ち明けるとは思ったものの、そう簡単に覚悟は決めきれない。

しばらくして保健所から電話がかかってきた。病院の先生の言う通りだ。

『稲田一馬さんですね。保健所〇区担当の△△です。本日はお願い致します。この度は新型コロナウィルスに感染ということで、大変な中お電話出て頂きありがとうございます。少しでも早く回復へと進めていきたいと思いますので、何卒宜しくお願い致します。』

すごく親切で丁寧な方だった。

主な質問内容はこのようなものだった。

・発症したと感じた日はいつだったのか。
・頭痛、咳、身体の痛み、喉の痛み、発熱、倦怠感などはあるのか。
・それらの痛みは現在も続いているのか。
・続いていなければいつ頃からやわらいだのか。
・呼吸は問題ないか。息が苦しいなどは特にないか。
・食欲はあるのか。味覚障害は出ていないか。
・発症した前日、前々日は何をやっていたのか。
・発症後から病名が発覚するまでは何をやっていたのか。
・タバコは吸っているのか。

かなりマニュアルができていて、質疑応答もスムーズに行われた。それでもすべての質問を終えるまで約30分かかった。

回答した内容をもとに、今後は入院かホテルで隔離生活かを改めて保健所から連絡させて頂くという流れになった。それまでは自宅待機。

私は布団にくるまり、受け止めきれない現実を彷徨いながら時を過ごした。

【10/28(水)6:30】真実を打ち明けよう

起床。どんな夢を見たのかあまり憶えていない。ただ目覚めた瞬間、私はコロナに感染したという現実が再び押し寄せてきたことは今でも憶えている。

逃げてはいけない。逃げても何も変わらない。

私は普段毎日ブログを書いている。遡れば入院をした日も手術をした日も、どんなに二日酔いでも忙しくて手が回らない日でも、ブログとラジオだけは欠かさず配信していた。

しかし今回は何と言えばいいのか、とてもとても手をつけられず、3日間何も配信せず時を過ごしていた。

初めは体調不良と伝えたものの、それにしたってインフルエンザの時ですらブログは投稿していたぐらいだから、あまりの急変に疑念を抱かれていたことはわかっていた。

これは良くない。正直に話そう。どっちにしたっていつかは言わなくはいけないこと。まずは身近な人に個人的に一人一人連絡した。

そして朝9時過ぎ、私は今の現状と今後について正式に発表をした。

【10/28(水)12:00】この世界はとても美しい

メッセージが鳴り止まなかった。とにかくものすごい数のメッセージを頂いた。追いつかないほどである。

メッセージはすべて激励の言葉だった。誰一人私を傷つけることなんてない。中でも印象的だったのは、

「誰がなってもおかしくないし、かかってしまったものは仕方がないんで、とりあえずはゆっくり休んでくださいね。また一馬さんのカッコいい歌声が聴きたいです!」

この『誰がなってもおかしくない』って言葉に私は救われた。

私はずっと自分を責めていた。流しなんてやるからコロナにかかってしまった。こんな職業じゃなければ人に迷惑をかけることもなかったのに。

だけど流しを否定した人なんて誰もいなかった。そこに本当に救われた。さらには『また一馬さんのカッコいい歌声が聴きたい』とまで。

私なりに丁寧に一人一人お返事をさせて頂いた。発熱と頭痛に苦しみながらも、ひとつずつ。

この世界はとても美しい。絶望なんて最初から無かったのかもしれない。

【10/28(水)13:00】保健所から再び連絡。明朝からホテルへ

保健所から再び連絡が入った。ホテルの場所が確定したらしい。

明朝9:00に自宅までタクシーが来てくれて、ホテルまで送迎してくれるらしい。他にも患者がいるから相乗りになるんだとか。

相乗りは仕方ないと思った。贅沢は言ってられない。わざわざ送ってくれるんだからむしろ感謝でしかない。

次にホテルでの生活について教えてもらった。

・広さはビジネスホテルのシングルぐらい
・弁当は3食出る。所定の場所へ取りに行き、部屋で食べるように
・水もお茶もある。1食500ml1本分
・タオルはないので持ってくるように
・シャンプーやボディソープはある
・ティッシュもトイレットペーパーもある
・1階に洗濯機があるので(無料)、各自で回すように
・乾燥はコインランドリー。100円玉がいるので(使用後返金)忘れないように
・ごみは毎日13:00〜15:00に1階の専用場所へ捨てに来ること
・着替えはもちろん、歯ブラシ類も持ってくること
・時間を持て余すので、パソコンやゲームなどは持ってきた方がいい
・取りに帰るのはダメ。一歩でも外出したら警察に通報
・コンビニに出かけるのもダメ
・忘れ物をしたら、誰かに持ってきてもらうことは可能
・(Amazonなど)ホテルへ宅配は不可
・Wi-Fiはあると思う(思うってなんだ→実際はフリーWi-Fiがあった)
・ホテル隔離生活は1週間(11/4まで)。状況によって延長することも


とりあえず厄介なのが”忘れ物”なので、電話終了後そこだけ入念にチェックしてこの日は終わった。私はMacとCD製作用の機材(マイク以外)も持っていった。退屈だけは何としても避けたい。

いよいよ明日からホテル隔離生活。寂しさも何もない。ただ早くコロナが治ればいいのにと、想いはそれだけだった。


続く。


これからもぶっ飛ばします。良かったらぜひ!