受験に必要な力はたった3つ #2

前回のnoteを読んでいない人はぜひ読んでからこのnoteに戻ってきて欲しい。↓

前回は、三大技能である「読解力」、「歴史力」、「演算力」が相補的に高め合うという話だった。まず、歴史力から詳しく見ていくことにする。

僕は論理と直感の間をとる人間なのだが、歴史力については論理の力を借りて説明する。歴史と論理とは密接に関わっているからだ。

歴史力

歴史力とは、今まで人類が積み重ねてきた知を吸収して自分のものとする力のことである。いわゆる日本史や世界史の知識のみを指すのでは無いので注意して欲しい。

よく、「自分は今を生きているのだから歴史なんか必要ない」という人がいる。本当にそうだろうか。

人は未来から学ぶことはできない。すると、現在か過去から学ぶしかない。現在から学ぶというのは難しい議論だがーーー今日の朝刊や数秒前に見た株価は過去のものだーーー、過去から学ぶことはできる。それも非常に多くを学ぶことができる。過去を学べば未来を推測することができ、未来を創ることにもつながるかもしれない。歴史とは、唯一にして最高の教材なのだ。何も難しいことではない。受験対策で過去問が重要であるのと全く同じことだ。「歴史なんか必要ない」と言っている人が過去問を勉強しているのは皮肉なものだ。

歴史が大切というのは何となく分かったけれど、前回、受験三大技能は全ての教科で必要になると言っていた。数学や理科でも「歴史力」なるものが本当に必要なのだろうか。はっきり言おう。数学と理科は歴史だ。

数学や理科は非常に広い学問体系だ。その中で高校の教科書に載っているのは、ほんの一部に過ぎない。では、どの「一部」が教科書に載っているのか。それは、全ての基礎になっている部分だ。数学と理科にとっての基礎とはなんだろうか。

数学と理科は、論理立てて記述される学問であるから、AがあるからBがある。BがあるからCがある。といった具合に、積み木を組み立てるように発展していくーーーたまに積み木を崩すパラダイムシフトが起こるーーー。この積み木は古いものから新しいものへと時代順に積まれている。これこそまさに過去から未来につながる系譜、「歴史」ではないだろうか。

そして数学と理科の基礎とは文字通り下の方にある積み木。これはすなわち古い積み木である。この古い積み木はold-fashionedというよりはclassicで、まさに古典だ。高校で学ぶ数学と理科は、大学の内容の基礎をなす部分で、その内容は大学生からしたら古典なのだ。文系にとっては馴染みが薄いかもしれないが、実際書店で理工学書のコーナーに行ってみると、「古典物理」「古典数学」といった文字をたくさん目にすることができる。また、これを機に、科学史に触れてみて欲しい。

さて、古典についてはまた長々と説明しなくてもいいだろう。最後に現代文と英語での歴史力について触れておきたい。筆者が何かを主張しているとき、そこには背景があり、それは歴史だ。そして、みんなが必死になって覚える英単語。語彙というのも人類が積み重ねてきた歴史だ。

もう歴史という言葉に飽き飽きしてきた頃だと思うので今回はこの辺にしておく。歴史力が受験で必要となるというのが何となく分かって頂ければ幸いである。

次回もお楽しみに。

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以下は読書録という名のつぶやき。


今回は、堀江貴文著、『すべての教育は「洗脳」である』から少し語る。

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