機能不全の家庭に育ち…
幼少のころから続く父親のDV。妹を守るのに必死だった。だが母は家を飛び出してしまった。祖父母と同居だったことが幸いだった。
母が家を留守にしだした。僕たちを残して。父との関係性もうまくいってなかったのだろう。だがその母は別でもう一つの家庭を築いていた。彼女は暴力沙汰で警察に連行された。
教育ママだった私の母。押しつけがましい接し方に反発ばかりしていた。母のいう事にはなにもかも否定的だった。だが、彼女はある日突然自ら命を絶った。唯一の形見を残して。
反社会的勢力とされる男性と交際していた私の母。私に対して、父と離婚した負い目もあったのだろうか。覚せい剤に手を出し始めた。予想だにしない形で受ける母からのDV。彼女は私の目の前で、警察に連行されていった。
極道の男性に恋をしてしまった僕の母。彼を繋ぎとめておくためだけに生まれた僕と3歳下の妹。物心ついたころ、母は自宅にいなかった。7歳の僕は盗みを働いて妹にご飯を食べさせた。妹を守れるのは僕しかいない。幼いながら、本能的にそう思った。
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機能不全の家庭に育つことは、誰にでもあり得る身近な出来事だ。虐待やニグレクトなど、そうした類のニュースは絶えない。他人事ではない。
当事者に感情移入してみる。
辛いだろうな、痛いだろうな、悲しいだろうな…
グレてしまうのも最もだ。誰も彼らを責めることはできない。生まれてくる環境を、子どもは選ぶことができないのだから。だが、過酷な環境下で生まれ育ったからといって、幸せになれない訳ではない。
「手を差し伸べてくれる人達がいた」
そう彼彼女らは口を揃えて言う。
彼彼女らは、極めてまっとうに「今」を生きている。
自身の身を不遇だと嘆くこともあっただろう。それでもなお、彼彼女らは「今」をまっとうに生きている。たくましく生き抜いている。人生を謳歌している。
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投げ出したいこと、逃げ出したいこと、認めたくないこと、辛いこと、生きていれば誰しも抱える「痛み」がある。その「痛み」に打ちひしがれながら、それでもなおと、現実を直視する。
そこで初めて、人生の主体性を手に入れられるのではないか。
俺はそんな風に思う訳です。
大丈夫君はまだ君自身を
ちゃんと見てあげてないだけ
誰だってそうさ
君ひとりじゃない
そりゃ僕だってね まあ、いいや…
少なくとも君には見方がいるよ
プレゼントの物語の中の住人達
さあこれから何をするんだい
僕はもういかなきゃ
ほらまたどこかで涙の落ちる音
引用:プレゼント BUMP OF CHIKEN
こんなに優しい曲はない。
大丈夫、君は一人じゃない。
俺は絶対に、お前を見切らない。
おわり
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