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【じゃがりことの出会い】


3歳で出会ってしまった。人生で1番食べることになるであろうお菓子に。

美味い…

食感、絶妙な塩加減、そして食べ終わる頃には少し物足りなさを感じるあの量。


もうなくなちゃったよ…

出会いは病院。


自分は生まれつき目の具合が悪く、生まれたすぐに手術をしている。その記憶は覚えてない。母からきいた話。


幼少期は、よく病院に通院していた。それは少し覚えている。

よく分かんない注射とか、検査をいっぱいした。

怖かったし、たぶん嫌だった。

そんな時に出会ったのが

じゃがりこだった。

仮面ライダーでもアンパンマンパンでもない、じゃがりこに僕は助けられていた。

じゃがりこの為なら我慢できた。母もじゃがりこを与えれば大抵の事は我慢できる僕でよかったんじゃないかと思う。

もし、毎回おもちゃをねだる子だったら、お金がかかってしょうがない。

じゃがりこでよかったねと思うと同時に、なにかをねだらなきゃ嫌なことを我慢できない子でごめんねと今は思う。

少し悲しくなってきた。

そんなつもりで書き出したんじゃない。

じゃがりこについて、おもしろおかしく愛を伝えたかっただけだ。

そんなじゃがりこ。

大好きなじゃがりこ。

何故かサラダ味しか食べなかった。

あの緑のパッケージに

キリンのキャラクターじゃがお。

大黒柱で趣味は大工らしい。

おなじみの、食べだしたらキリンがない。っていうあの微妙なオヤジギャグ。

たまらない。


小学生になって、放課後誰かの家で遊んで、帰っておじゃる丸を見ながら食べるじゃがりこが大好きだった。

おじゃる丸の兄的存在はカズマ。

僕の名前も和真。

これは別に関係ない。

じゃがりこを食べてると、家族に一本ちょうだいって言われていっつも嫌そうな顔してた。


ポテチでもトッポでもない、じゃがりこだけは一本たりともあげたくなかった。


じゃがりこが好きすぎて、人間性にまで影響がでてしまった。


当時の僕にとってじゃがりこは、タバコやアルコールくらい中毒性があった。


じゃがりこがなくなるのが早すぎて、食べ方の研究をしていた。

いきついた先は右手でじゃがりこをとって、右腕を首の後ろに回して、顔の左前にでてきたじゃがりこを食べる。

これを繰り返すと、いつもよりゆっくりたべられた。


首を痛めた。

朝起きてもズキズキする。

シップをはって学校に行く。

寝違えたと嘘をつく。じゃがりこで痛めたっていうのは恥ずかしくていえなかった。

そんなじゃがりこ。


自分を語る上でじゃがりこは絶対に欠かせない物の1つ。簡単にじゃがりこが好きなんて言うやつがいたら、

おれのじゃがりこ愛なめんなよ…

と心の中で思っていた。

でもいつの日か、じゃがりこを食べなくなった。

卒業した。お菓子の中で殿堂入りしてしまった。

たぶん好きすぎたんだと思う。

食べすぎたんだと思う。


いっつも食べているから好きではない、ただ単にじゃがりこが好きなんだ。

もう食べなくてもいいんだ。

もうなにを言ってるかわからないと思う。

好きなお菓子は、好きな味のお菓子ではない。

今までの思い出全部ひっくるめて好きなお菓子だ。

今までもこれからも、1番好きなお菓子はじゃがりこのサラダ味だ。


ありがとうカルビーさん。じゃがりこを生んでくれて。


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