カードの数字は四隅に載せるかどうか

カードゲームを作るときの数字(ランク)の話です。時々ぐるぐる考えてしまうので、自分用に短いメモとして書いておきます。原則は2つあって、

1)カードの情報が多ければ、ランクは上半分にしか載せ(られ)ない
そうでなければ
2)他人がそのカードをよく見たり触ったりするなら、極力四隅に載せる

だと思っています。


1)カードの情報が多ければ、ランクは上半分にしか載せ(られ)ない

これは話が簡単で、たとえばカードテキストが載っていたらカードを天地逆にする選択肢はありません。他にもリソースアイコン、アクション指示、そういう情報が多ければカードは否応なく正位置固定です。そしたらランクだけを四隅に載せる必要はなく、上辺の左右で十分でしょう。

ランクの話から少し逸れますが、この場合、カード内の情報はなるべく自分だけが参照するものであるほうがいいと思います。他プレイヤーが手前にプレイしたカードのテキストを、上下逆さまに読むのは結構しんどいです。リソースを共有するなら表示も大きくするとか、数字(ランク)が角度や照明の加減で読みにくくならないようにとか、正位置だからこそ考えるべきことが出てきます。

※TCGは仕方がないです。テキストがないと成立しないゲームだし、相手に効果が及ばないといけないし、私もテキスト効果のカードを作るときは「相手がテキストを参照しづらい」問題には目をつぶってます。


2)他人がそのカードをよく見たり触ったりするなら、極力四隅に載せる

たとえばプレイヤーが個人デッキを持っていて、ゲーム中にカードを取る向きが概ね固定されるのであれば、ランクを四隅に載せなくてもいいと思います。あとは共通デッキから引いても、向きを直す機会が少ないとかすぐ直せるとか、その場合は四隅に載せることが必須ではないでしょう。

四隅(少なくとも天地両方)にランクを載せたほうがいいのは、トランプゲームのように共通山札をシャッフルしてカードの向きを気にせず手札を配るようなケースで、13枚配られた手札の向きを一々直すのは結構な手間です。それが30分のゲーム中に最初の一度しか起こらないのならまだ問題ありませんが、1ディールが5~10分で終わって、プレイ中のカードは色々な向きに散らばって、配り直しが複数回発生する。そうしたゲームでは、四隅にランクやスートを載せるのはほぼ必須です。正位置と逆位置とをバラバラに持っていても違和感が生じないようにするのも必須です。上下の並べ替えというゲーム本体に関係ない作業でプレイテンポを削ぐのは無駄です。インターフェースは極力プレイングを快適にするように持っていきたい、私はそう思っています。

※ちなみにランク表示が左肩だけでなく両隅のほうがいいのは、左利きの人がカードを右手で扇形に持ったとき、カードの左肩が隠れて右肩だけが見えるからです。トランプのカードは左肩にしかランク・スート表示がないものも多くて、早く改善されないかなと思ったりします。

私が作るときの判断の目安は、ゲーム中にディールやシャッフルが何回かかるか、1ディールのプレイ時間はどのくらいか、プレイヤーは何回カードを引いて並べ替えるか、特に一度に多くのカードを並べ替える作業が発生しないか、ゲーム中にランクは誰がどのように参照するか、みたいなことです。細かいことですが、開発初期から気にかけておくと、後々カードのインターフェースを整理するときに困らなくて済むので、個人的な考えをメモとして書きました。

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