あの4年間
2017年トランプが大統領になった日、夜中のブルックリンの自宅で涙が出た
あの日ヒラリーとの接戦を手に汗を握って夜中まで投票結果を見ていた、
結果が出たとき何かが終わったような気がした。
それからアメリカで移民の家族の一人として過ごした4年間はなかなかストレスが多かった。
トランプ就任前にすでに移民対策としてメキシコとの国境に壁を作るなど、相当な差別発言を公に繰り返していた。当時小学校に通っていた娘のベストフレンドはメキシカンの女の子だった。
トランプは「子供でも女の子が嫌いらしい」と通学のバスの中での話を聞いてショックを受けたりしていた。子供にも発言の影響が及ぶことが悲しかった。
ただトランプが大統領になってすぐポジティブな団結も見る事ができた
友人の学校では先生が個人的に生徒のみんなに対して
『自分の学校では差別を絶対に許さない』と言った文章を送ってくれたりした。僕自身も娘の学校の先生とアポイントメントをとって、この件に関してお話をさせてもらったりもした。
近所の窓には、翌日からみんながメッセージを掲げた。
『LOVE TRUMPS HATE』「愛は憎しみを打ち負かす(ひっくり返す)」
トランプの移民に対する差別的な言葉、白人至上主義、女性蔑視は、社会全体に表面には見えなかっただけで、常にアメリカ社会には存在していた闇だと思う。その暗闇が明るみに見えてきた時、誰もがその問題に対して意識的になったことはあの当時、自分が感じたポジティブな光であったと思う。
あの4年間が終わり、確かに世の中は良くなったわけではなかった。
ただ確実にあの4年間感じていたストレスは、もう2度と経験したくない。
まさかの悪夢だ。
俳優のハリソンフォードが言っていたこと
『自分はカマラハリスのすべての政策に賛成していることは全く持ってない。ただ、ハリスは反対する側の権利を守ってくれるからハリスに一票を入れる』
これは今回の選挙の中でも一番腑に落ちる言葉だった。
日本でも自民党の独裁的な政治にようやく陰りが見えてきた。
これは本当に必要で必然な流れではあるけれど、
ようやく日本も市民の意識が変わり始めてきたのだと信じたい。
今回の大統領選は移民の一人である、自分だけでなく日本にとっても、日本人にとって、大きな意味を持つだろうと思う。多くの日本のメディアが伝えるような、トランプが経済を復活させるとか、そんな生ぬるい話ではないと思う。
僕はアメリカではまだ選挙権は持たないのだけれど、今後のアメリカでの自分の活動や生活にも大きな影響が出てくる。
ただどのような結果になっても、冷静に受け止めたい。
祈るような気持ちで、結果を見守りたいと思う。
そしてまた能天気な文章をもっと書ける日々を送りたいよ!