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あるシンポジウムでのこと。東京大学で人工生命の研究をしている複雑系科学者、池上高志氏の講演のなかで、ナム・ジュン・パイクというアーティストの作ったロボットの話が出た。 「K-456」は、一九六三年に作られた。ワイヤーが丸見えのスカスカの体をもち、リモコンで動く不細工なロボットだった。長年ナム・ジュン・パイクと行動をともにしていたが、一九八二年、ニューヨークのホイットニー美術館前のマジソン・アヴェニューで、パイクのリモコン操作によるパフォーマンス中に、車に轢かれてしま