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エッセイ集:自己・意識・生死をめぐっての随想

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文藝同人誌に掲載したエッセイを中心に、新たなエッセイも加えていきます。
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#存在

死んだら他者の心のなかで「生きて」いられるか

納得いかない考え方のひとつだ。 「人間は、肉体が死んでもそれだけでは死なない。誰かの心のなかで生き続ける(ことがある)」 「人が【本当に死ぬ】のは、その人をおぼえている人間が誰もいなくなったときだ」 それを本気で言う人が複数いるので、不思議でしかたなかった。 他者がおぼえている「その人」とは、他者の主観というフィルターがかかった変形物で、「その人」の意識そのものじゃないのに。 いつのまに、人は、本人の意識から、他者が抱いている記憶へと、すりかえられてしまったのだろう。