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人を笑わせるということ

久しぶりにナインティナインの
オールナイトニッポンを聞いて
泣きそうになってしまった。

ナイナイ2人のANNは2014年に終了して、
今では岡村さんがひとりでやっている。

今回、矢部さんが急遽ゲスト出演したから、
6年ぶりに「ナイナイのANN」を聞けた訳だ。

中学生の頃、初めて聞いた深夜ラジオは
ナイナイのオールナイトニッポンだった。

フリートークも悪い人の夢も
ドリチンクラブも大好きで。

ハガキを送ったことはなかったけど、
布団の中で毎週聞いていた。

起きれない夜は、カセットテープに録音した。

今回、6年ぶりに2人が喋ってるのを聞いて
懐かしさに、泣きそうになってしまった。

6年出てなかった矢部さんが、
今回出たのには理由がある。

先週、緊急事態宣言で風俗に行けないという
リスナーからのメールに対して。

平常時に戻ったとき、生活に困った女性が
風俗で働くはずだから、それを楽しみに頑張れ。

そんな趣旨の発言をして炎上した、
岡村さんを「公開説教」するためだ。

矢部さんは終始穏やかだったけど、
話の内容は厳しかった。

今回のことがある前から、
楽屋を別にしてもらうことで
岡村さんと距離を置いていた。

嫌いになるのが怖かったから。

岡村さんは、他人の気持ちを
想像することが足りてない。

若いうちはみんなそうだけど、
岡村さんは仕事以外の人付き合いから
逃げる癖があって、変われてない。

そして周りが気心知れた人たちばかりで
注意してくれる人もいなくなって。

だから、今回のような発言をしてしまった。

岡村さんは恋愛において
色々なコンプレックスがあって、
それを笑いに変えてきた。

その恋愛弱者としての自分を
キャラクターにしてきたけど。

今や社会的には成功者であり、
もはや弱者ではないから。

弱者の遠吠えとして許されて
笑いになってきたような発言は、
もう笑えないし、許されないのだ。

だからもう、性格を変えてください。

……そういうようなことを、
矢部さんは諭すように話していた。

聞いていて、とても胸が苦しくなった。

矢部さんの真摯な思いに共感する一方で、
自分が叱られてるような気持ちになったからだ。

もちろん僕は、社会的な成功者ではないけど。

岡村さんのスタンスに、ファンとして
熱狂していた時期が、確かにあったから。

2時間ずっと、心に響く放送だったけど
いちばん印象に残っているのは、最後の方の
矢部さんの「笑われてええやん」という話だ。

(岡村さんは)笑われたないって言うやん。
……笑われてええやん。

笑われてんねんもん。

笑かしてるよ?笑かしてるけど、
見てる人から見たら、笑われてるかもしれん。

だから、どっちでもええやん。な?
笑ってくれたら。

衝撃的だった。僕もずっと、
同じことを考えていたから。

笑われたくない。笑わせたいんだと、
ずっとずっと、思ってきたから。

……でもそれは、相手にとっては同じなんだ。

本当に相手のことを思うなら、
どっちだっていいことなんだ。

人に笑われてもいい。

そう心から思えることが、本当の意味で。

人を笑わせるということなのかもしれない。