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NIKE🆚new balance

半年ごとぐらいのペースで小さな旅に出る。旅の魅力は何かと問われたらすかさず想定外の出来事と応える。

若い頃の移動手段は専ら車だったがある年を境に電車に変わった。新幹線プラス在来線だ。在来線を降りたら路線バス或いは宿の送迎バス。

寄り道、他がある場合は仕方なしのレンタカー。

新幹線や在来線の車窓から移ろう景色を眺めながらの冬空の神に謝りながらの午前中ビールと駅弁、至福の時間。特に季節が冬であれば、東京駅を出る時は都会特有の寒さと白い太陽光に囲われるが、好天に恵まれると大宮あたりを過ぎると西に雪を纏った富士山が見えはじめ流れる遠景の山脈も雪に染められ、やがて電車の突き抜く田畑も雪化粧を纏う。

この変化に異常偏愛を持つ。
ある種のタイムマシン。アナログのディーゼルのタイムマシンに憧れる。

寒い外に対して暖かい車内の優位性がそうさせる。人間が小さい。

風景とともにやはり旅の目的はその土地の食べ物になる。極寒の日本海から上がったイカに僕は固執するが、とある店の過去最強の肴はこのイカだった。

生きたイカをそのまま細く切り落としいわゆるイカソーメンにする。付けダレに、やはり生きたままのムラサキウニをまん中から真っ二つに切り、中の金色の身をスプーンでえぐりそこに軽く溶かす。ウズラの卵を落とし、山葵を軽く混ぜて最後に獲れたての蝦蛄の身を軽く落とす。蝦蛄は別に頼んだものを自分でアレンジ。

史上最高の酒の肴。

「烏賊素麺紫雲丹鶉雌蝦蛄和」

イカソーメンムラサキウニウズラメスシャコアエ

店では普通にイカ刺しとして出されるが感動しまくりのそんな名前を勝手に付けている。

僕はまだ上限値をかろうじて下回っているが、尿酸値が

7.0mg/dl,を越える人は食さない方が懸命だと思う。

烏賊素麺紫雲丹鶉雌蝦蛄和

はプリン体のカタマリ。

数年前の旅の想定外の出来事、

それは、出掛け、朝まだ暗い中、下駄箱の中から引っ張り出した靴、同じ色合いに惑わせられたのでしょうが、新幹線の中で気づいたのだが、

右足はNIKE、

左足はnew balanceだった。

そんな時に限り出迎える宿の人が僕の脱いだ靴をすかさず、間髪を入れず下駄箱に運んでくれていたりした。

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