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017_20221124_とんがり帽子のアトリエ

作品情報

  • 「白浜鴎(しらはま かもめ)」さんによる成年向け漫画

    • 講談社の「月刊モーニングtwo」で、2016年7月から現在まで連載中

      • 月刊モーニングtwoは紙媒体の増刊だが、2022年9月にWeb漫画サイトとなった

  • 単行本は講談社から期間11巻

  • スピンオフとして、2019年11月から佐藤宏海(さとうひろみ)さんにより「とんがり帽子のキッチン」も同サイトで連載中

  • アニメ化決定!と春にアナウンスされたのですが…

    • 続報なし

    • そも「アニメ化」しらんかったので、知ってたら取り上げなかったのですがw

導入

  • 少女が泉で洗濯してるところから始まる

    • よく分からんけど「廃油」っぽいのを泉に捨てている

    • たぶん、洗濯物も洗ってる

  • インパラのような動物に少女は言う「ごめんね、でもすぐ元に戻る。泉に魔法がかかってるから」

    • 実際に数秒後、泉は光り、澄んだ水に戻る

  • どうやらこの世界には「魔法」があり「生活を便利にするもの」という扱いらしい

    • その魔法をかけられるのは魔法使いだけ

  • どうやら、魔法使いは世襲制のようなもので、選ばれしものが生まれたときから「魔法使いになる」と決まっているらしい

    • つまり「生まれた時に縁がなければ後天的になることは出来ない(ゆるされていない?)感じ

  • 少女はどうやら「魔法使いになりたかった」よう

    • 今はあきらめてる感じだが…

  • そんな時、少女の家に羽根馬車(ペガサスを二頭立てにしたソラ翔ぶ馬車)が自分の家の前にとまり、中から丸メガネの魔法使いが出てくる

    • 刺しゅう職人のお母さんに注文しにきたみたいだ

  • 少女がチャコペンで布に線を引くのをみて、魔法使いは言う「これこそ魔法だ」と

    • 照れて「魔法はもっとこう、尊いんです」と返す

  • 魔法使いは「どうして魔法が好きなのか」を聞く

    • 少女いわく、小さい頃祭りに行った時、路地に居る仮面の魔法使いから魔法の絵本を買ったと

    • 母に「魔法の力を持って生まれないとなれない」といわれしょげたと

    • その話をきき、メガネの魔法使いは訝り、詳しく教えてと言う

  • 村の子らのいたずらで、羽根馬車が壊れる

    • 魔法使いは少女に「人魔法を使うから、中に入らないように見張っといて」という

  • 少女はどうしても観たくて、屋根裏から入って覗く

    • 「魔法は、ペンで、描くんだ。かけるんじゃなく、描くんだ。」と知る

    • 羽根馬車が治ったので、魔法使いはソラ飛んで帰っていく

  • 路地裏の仮面の魔法使いから買った本と杖は、魔法の本とペンだった

    • 見様見真似で丸と囲みを描くと、光だす

  • 少女はテキトウに丸と模様を多く書いてみた

    • 光ったり燃えたり、ささやかだが魔法が使えた

    • きれいにかければ持続効果が高いことを知る

  • きれいに書きたくて、絵本にある手本を透かしてなぞる

    • なんと、母と家が石化する

    • 自身も石化に襲われかけるが、心配になって帰ってきた魔法使いが間一髪でソラ飛んで救う

  • 魔法使いは言う「危険だから隠されてきた。特別なインクと魔法陣で魔法を描く。それは知ってたら誰でも使える」と

    • 秘密を知ったら記憶を消さねばならないと

    • 少女は言う「記憶は消さないで、母さんを助けるためならなんでもする」と

  • 魔法使いは考える「絵本を売ったのがヤツらなら、少女の記憶を消すと手がかりが亡くなる」と

    • 魔法使いは「秘密は守れるか?知ってしまったなら、秘密をもつ側になってもらう。きみはこれから魔法使いになるんだ」と

  • 魔法使いは親の居ない少女を羽根馬車にのせ、一夜を飛んだ

    • 「もうすぐ着くよ、僕のアトリエ、君の学び舎だ」

  • 数人の少女の弟子、眼の前で見る生活魔法、師匠となった魔法使いから教わる「禁止された魔法と隠蔽されることになった魔法つかい」とその歴史…

    • さらに、最初にたちはだかる試験の壁

  • 異例中の異例で魔法使いの弟子になった少女はいったいどうなっていくのか…

観想

  • 超絶画力というか、絵のきれいさ、絵画的美術性に圧倒される

    • 絵画、可愛い絵、モンスターなどの畏怖の絵、グロテスクな絵…色々な性質が同居する劇画、とでも表現しましょうか

  • 魔法使いが、「能力者」や「超越者」というのではなくて、わりと制約がキツく求道的で禁欲的、寺に出家するような概念でできてる感じ

  • わりと「謎」が説かれていくことがマンガの根幹なので、何を言ってもネタバレになるから、魅力は語りづらい

    • その構造は二つある

      1. 少女に本を売った仮面の魔法使いは何者なのか、母親を元に戻す方法は、師匠となった魔法使いの目的は、など「作中世界での謎」

      2. その世界では常識・確定した事実・自然法則だが、読者には明かされていない「未知という謎」

    • それらの「謎」や「作中知識」というものが、各話各話で定期的に明かされていくことになるので、脳内メモリと思考は使うものの、先を読み進めるのにわりかし引力がある

  • 設定やツールのデザイン等「作劇の小物」が秀逸

    • 例えば「魔法陣の仕組み」、綺麗さや線の長さ、強さ、魔法陣自体が魔法の性質を決める、とか

      • 医療と魔法は明確に別れており、兼務してはならず、領域を守らねばならない、と言うのは「ドラマを作り出す制約」であり「ご都合にならない舞台装置」として機能するなーと

    • 例えば「魔法道具」、魔墨の瓶や、杖型のペン、帽子やポンチョなど、デザインに丁寧さが在って好き

      • 描くのがしんどいやろなー、と想像するのに、デザインとそれを日常で描かねばならないことに手を抜いてない

  • 例えれば「上質な絵本レベル100」みたいな作品

    • 魔法のメルヘン、少女の成長、冒険譚、世界の謎解き…すべてのレベルが高く、お子にも安心して読ませられ大人も楽しめる、という感覚

    • 小説によくある「写実的な挿絵」が、ずーっと続いている感じ

まとめ

  • お子にも読ませることのできる、上質な絵本(大人に取っては萌え絵本)を読みたい、というような人におすすめの本

  • 「読んでしまうと先の展開が気になって泣いてしまう」という人には途中で止まっちゃうので泣いてしまうが、一旦既刊最新まで読んで、そのあとはゆっくりor貯まるまで待てる人にはぜひに


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