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家族介護者の本音と上手な向き合い方

家族介護者の方に本音を伺う機会がありました。
そこには、介護事業者側が考えるべき課題と、家族の上手な介護との向き合い方に関するヒントが満載でした。

1.まなみさんのご紹介

KAIGO LEADERSのオンラインコミュニティ「SPACE」※通称「かいスペ」
こちらでは、Slack上で日々介護に関するさまざまな情報交換や交流が図られています。

先日、そのメンバーの1人、島影真奈美さん(以下まなみさん)がゲストスピーカーとして登壇されたオンライン定例会に参加しました。

まなみさんは、ライター・編集者・老年学研究者で、下記書籍の著者でもあります。

『子育てとばして介護かよ』

3/16新刊『親の介護がツラクなる前に知っておきたいこと』

また、noteでは「#別居嫁介護日誌」を連載されています。

2.家族と介護事業所の連携課題

まなみさんは、まず事業所との連絡調整のツールが不十分であることを指摘されました。
これは、本当にごもっとなご意見でして、実は事業者側としても不自由さを感じています。基本は電話でのやり取りになりますから、お仕事をされているご家族にはなかなか連絡が取りにくいですし、こまめにというよりもできるだけまとめて連絡をしようという考えに至りがちです。また、介護職員はシフトで動いているため、電話が繋がらなかった際、折り返しをいただいても、そのタイミングには担当者が不在であったり、出られなかったりということが多いのです。

では、なぜメールやLINEなどのツールを活用しないのか?
これは私自身の個人的な見解ですが、ひとつは、個人情報流出などのリスクが考えられます。メール等の情報リテラシー高くない職員が多いというのも要因です。ふたつ目には予算の問題。職員それぞれにメールアドレス等を発番するとそれだけで維持費がかかる場合があります(セキュリティを担保するため)。
ですが、一番大きい問題は、そのやり取り自体が負担になることだと思っています。
職員は施設長、ケアマネジャーであってもずっとパソコンの前に座っていられるわけではありません。連絡が頻繁になると、その返信に追われることになりますし、少し返信が遅れるだけでもクレームに繋がりかねません。もちろん、みんながみんなそうではありませんが、いろいろなご家族がいらっしゃいますから…(-_-;)

こうした問題の解決に繋がるか?下記のようなサービスも誕生しています。

まなみさんは、いずれにしても信頼関係が大切とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。一朝一夕にはいきませんが、事業所と顧客という関係であっても、共にサポートするチームとして協力し合えるようになることが求められています。

事業者側も、介護に対して熱心なご家族がいらっしゃると、つい「うるさい家族」と捉えてしまいがちなところがあるのではないでしょうか。リスクヘッジのことばかりに目を向けるのではなく、何がご利用者のためになるのかを真に考えなければなりません。
そのためには、腹を割ったコミュニケーションが必要ですし、場合によっては、家族側にもある程度の介護や高齢者に対する知識を持っていただくことが必要ではないかと思います。

3.まとめ

より良い介護サービスの提供には、介護事業者と家族の連携が重要です。
それは、もちろんご利用者本人のためにということが第一ですが、家族の方がご自身の生活(仕事もプライベートも)を守るためにも大切なことだと考えています。
まなみさんは、この辺りとても理解があり、自らしっかりとマネジメントされています。

「介護はプロに任せる」

この考え方は、家族介護においてとても大切なのですが、丸投げでは上手くいきません。自分ごととして捉え、どう関わっていくと良いかを考えることが、介護と上手く向き合うコツなのかもしれません。

私ができることとして、介護事業者と家族双方の気持ちを尊重し、お互いのことを理解し合いながら、歩み寄れるようそれぞれの立場に立った情報発信をしていきたいと思います。

ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。

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「介護」や「終活」の情報を堅く、重苦しくなく伝えています! その他、「仕事と介護の両立」や「介護職員のキャリア支援」に取り組んでいます。