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ユマニチュードについて考える

ユマニチュードとは「人間らしさを取り戻す」という意味をもつフランス語の造語で、フランスの二人の体育学の専門家イヴ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんが開発したケアの技法です。(日本ユマニチュード学会HPより引用)

■詳しくは、下記「日本ユマニチュード学会」のHPをご覧ください。

ここでは、ユマニチュードをある程度を知っているということを前提に、ユマニチュードの捉え方とその功績について考えていきます(ご存知ない方は是非上記HPでご確認いただいた後、また戻ってきてくださったら嬉しいです)。

さて、実は、昨日、所属しているKAIGO READERSのオンラインコミュニティ(通称「かいスペ」)にこんな問いが投げかけられました。

一般的なケアとユマニチュードの違いって何だろう?

一般的な認知症ケアというと、「パーソン・センタード・ケア」がイメージしやすいのではないでしょうか。こちらはイギリスを起源としていますが、ユマニチュードはフランス。国の違いこそあれ、その根底にあるのは「一人の人間として尊重する」ということ。その点では同じだと思っています。

また、ユマニチュードを構成する4つの要素「見る」「話す」「触れる」「立つ」は、どれも、ものすごく基本的な行為です。

ですので、しっかりと勉強された方や実務経験を積まれている方のなかには、目新しさを感じないという方もいらっしゃるかもしれません。

では、なぜそれが注目を集め、称賛されたのか。

日本にユマニチュードが初めて導入されたのは2012年、私はその当時、介護職員として老人ホームで勤務していました。当時のヘルパー2級(現:初任者研修)資格取得時には、すでにパーソン・センタード・ケアの考えを習っていたような気がします(ちょっとあやふやですが…)。

そんな状況でしたが、メディアなどでは「まるで魔法のようだ」と、もてはやされていました。

映像で見る認知症の方の変化は、それは劇的なもので、驚きを禁じ得ませんでしたが、ジネストさんが実践されていること自体は、ごく当たり前のことばかりです。

でもそこで、「ん?当たり前??」という言葉が、私の頭をよぎりました。

本当に自分は、自分の勤めている施設のスタッフたちは、その当たり前が実行できているだろうか。忙しさや人手不足を盾に、かまけてはいないだろうか。

正直ハッとさせられました。

本来、当たり前であるべきこと、だけれども、その一つひとつの要素を分解すると、それはとてつもなく奥が深いのです。

熟年の経験を持つ介護士ならば、無意識に実践していることかもしれません。そういう人は日本中にきっとたくさんいらっしゃると思います。
しかしながら、その技術を正しく伝えられる人は少ないのではないでしょうか。

ユマニチュードの素晴らしさは、ケアにとって、とても基本的で重要な要素を誰にでもわかりやすい言葉で言語化したことだと思っています。

また、家族介護者にとっても、こういう基本的なことが、実は大切なのだと知っていただけたという点は、僭越ながら大変大きな功績だと思います。

同じ「かいスペ」のまえさんが、「介護を義務教育にしてしまえ」というnoteを書かれていて、とても共感できるのですが、その際は、是非ユマニチュードを入れて欲しいと思いました。

そして、6月に、また別の「かいスペ」メンバーが、このユマニチュードの勉強会を企画してくれています。
ここで、さらに深められそうで、今からとても楽しみです!!

■まえさんのnoteにつきましては、こちらを是非ご覧ください↓

■KAIGO REAGERS『SPACE』につきましては、こちらを是非ご覧ください↓

** ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。 **

「介護」や「終活」の情報を堅く、重苦しくなく伝えています! その他、「仕事と介護の両立」や「介護職員のキャリア支援」に取り組んでいます。