簿記について

1.簿記とは

 次のような一連の手続きやルールのことを「簿記」という。

 (1)企業が
 (2)毎日の活動を
 (3)帳簿に記録し、
 (4)役立てること

(1)企業とは

 目的をもって活動する組織のことを企業という。
 儲けることが目的であるかどうか(営利企業と非営利企業)、
 公の組織であるかどうか(公企業と私企業)、
 成り立ちや規模(株式会社、個人企業)

 などにより、
 さまざまな分類がされる。

 簿記には

 商品売買業で用いられる「商業簿記」
 製造業等で用いられる「工業簿記」

 などがある。

(2)帳簿に記録する毎日の活動

 ここで帳簿について説明すると、
 (簿記を記録する)ノートのようなもの。

 企業では、毎日の活動によって、
 さまざまな現金などが変化する。

 簿記では、この変化について計算などを行い、
 勘定科目と金額を用いて記録する。

 簿記に記録する内容は、

 「①今どんな状態であるか(以下ストック)」

 ということと
 そこに至るまでに

 「②どんな活動を行ったか(以下フロー)」

 ということが中心となる。

①ストック

 たとえば、現金について、1日の始まりの時点では200円あったこと、
 終わりの時点では180円残っていたこと(残高)を記録する

②フロー

 たとえば、現金を80円使った(減った)こと、
 現金を100円もらった(増えた)ことを記録する。

(3)帳簿に記録する

 簿記では、

 日々の活動を日付順(発生順)に記録する帳簿(仕訳帳)や、
 項目ごとに記録する帳簿(元帳)、
 その他細かい内容を記録する帳簿(補助簿)などを用いる。

(4)帳簿記録などを役立てる

 企業をとりまく、すべての人を総称して利害関係者という。
 簿記の手続きによって記録された内容は、

 帳簿や一覧表にまとめた資料(報告書)などにより、
 「有用な情報」として、利害関係者がそれぞれの活動に役立てる。

①内部の利害関係者
(株主、企業の経営者、その他企業内部で関わっている人)

 活動内容を確認し、現状を把握したうえで、活動に役立てる。

②外部の利害関係者

 国が税金を徴収するとき、
 銀行が資金の融資を決定するとき、
 取引先と情報を交換するとき

 など、
 さまざまな場面で簿記によって作成した資料を活用する。


2.簿記の目的

 簿記では、
 以下の目的を達成するために、

 さまざまなルールに従って、
 帳簿記録や資料作成などを行う。

(1)一定時点の財政状態を明らかにすること
 財政状態とは、

 企業が「一定時点において、何がいくらあるのか」

 を表すもの

 企業は、財政状態を明らかにするために
 貸借対照表という報告書を作成する。

 貸借対照表には、

 現金や預金の残高、所有する建物などの価値、
 借金の有無、元手などを記載する。

(2)一定期間の経営成績を明らかにすること
 経営成績とは、

 企業が「一定期間に、どんな活動をし、その結果いくら儲かったのか
 (または損したのか)」を明らかにするもの。

 企業は、経営成績を明らかにするために
 損益計算書という報告書を作成する。

 損益計算書には、
 企業活動による収入や支出の内容などを記載する。

3.会計期間

企業は継続して活動を行うため、
通常1年ごとに区切りをつけて報告書を作成し、

財政状態や経営成績を明らかにする。

この定期的に区切られた期間を会計期間という。

会計期間の
始まりを期首(きしゅ)、終わりを期末(きまつ)、
期首と期末の間を期中という。

また、
現在の会計期間を当期、一つ前の会計期間を前期
一つあとの会計期間を次期または翌期という。


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