クラウドファンディング 成功の秘訣は、出家にある理由

この前、『出家的人生のすすめ』という本を読みました。

仏教の出家とはどういうものか、そして現代では出家的な人生をどう歩むかを教えてくれる本です。

出家的人生のすすめ (集英社新書) [ 佐々木閑 ]
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これを読んで思ったことは、

出家の理論が、めちゃくちゃクラウドファンディングっぽいじゃないかということです!

僕は一度クラウドファンディングを実施したことがありましたが、この出家の理論を学んでおけば、もっと良い結果が出たのにと思いました。

では、なぜクラウドファンディングと出家の理論が近しいものなのか説明していきます。

施しを受ける

出家をして、仏門に入った方々は原則自らお金を稼いではいけません。

お金を稼ぐという行為は俗世的な行為なため、禁じられているのです。そのため、人々の慈悲の心からお布施を受けることで、生活に必要な食事や寝床を確保するわけです。

現にお賽銭のお金や、お布施などでお坊さんは生活しているわけですよね。お坊さんは働いてはいけないのです。人々からの施しのおかげで、お坊さんは修行を続けることが出来ます。修行は仏教という一つの道を突き詰めて、悟りに入ることを目標としています。

これは、クラウドファンディングと同様。お坊さんと同様に、プロジェクト実行者は何かの一つの道を極めて目標を達成するために、お金を人々から集めます。

お金を集めるのに必要なのは、清廉さ

お坊さんが出家をして仏門に入るのは、自分が生きやすくするためなので、自分の為に行うことです。自分の為に生きるのにも関わらず、人々からお布施を受けるので、出家者は清廉でなければならないというルールがあります。

俗世的な行動を行なったり、修行をサボったりしてはいけません。なぜなら、施しを与えてくれる人々を裏切る行為になるからです。そのため、日々の生活の様子を隠さないように、原則お寺はいつでも解放されているようです。

クラウドファンディングも同様に、プロジェクト実行者は自分や、自分の身の回りの為に行うため、清廉でいなければなりません。プロジェクトを実施する為に、どれだけの準備をしているか、どういう取り組みをしていくかを明確にして、全てを公開する必要があります。そして、プロジェクトに対し嘘偽りのない想いを語り、清廉な気持ちを持たなければなりません。

世の中にイノベーションを巻き起こす

仏教を広めた釈迦は、無職です。

自らお金を稼ぐことはなく、人々からのお布施で生活していました。現代でいうと、ニートや引きこもりと同様の立場ですよね。釈迦は仏教を人の役に立つと思って始めたわけではなく、自らを生きやすくするために始めました。それでも、無職無収入の釈迦が広めた仏教が、2500年経った今、世界的な大宗教となって、何億という人々の心の支えになり、そして広大な仏教文化というものを生み出してきた事実があります。

人類の歴史で巻き起こったイノベーションというのは、役に立つと思って生み出されたものばかりではありません。世界の真理を追求したり、何か一つの道を極めたり、一見役に立たないと思われる自分本位の行為が積み重なることで、イノベーションが巻き起こっております。科学の発展も、一人一人の科学者が損得感情にとらわれず、世界の真理を追求してきたおかげです。

クラウドファンディングも同じことだと思います。世界一周するとか、アート作品を作りたいとか、一見支援者に直接役に立たないかもしれません。それでも、何か一つの道を極めたプロジェクトはいつか世の中にイノベーションを巻き起こすことが出来るでしょう。

その気概を持ってプロジェクトを始める必要があると思います。

日本では、昔からクラウドファンディングを使ってお寺を改修していた

1180年、僧の重源は、焼き討ちで焼失した東大寺と大仏の修復・再建を進言します。重源は再建費用を集めるため、全国各地を回り、信者や有志から少額ずつの寄付を募りました。そして1195年には大仏殿の再建を実現させたといいます。その後、寺院や仏像などの新造・修復・再建のために庶民から広く寄付を求める「勧進」という動きが盛んになりました。

元記事: https://relic.co.jp/battery/articles/1379

「勧進」というのは、まさに現代のクラウドファンディングそのもの。それもお寺の改修工事のために行われているんですよね。

昔からクラウドファンディングの思想は、仏教の世界にもあったんです。

ぜひ、クラウドファンディングを成功させるために、一度仏教と出家について学ぶことをお勧めします。

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