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生成AIについて振り返りながらこれからのトレンドを考える

この記事は2023年M&Aクラウドアドベントカレンダーの25日目の記事です。

こんにちは!CTOの荒井です。毎年最終日は私が枠を頂いているのですが、メンバーも増え、今年もまた素晴らしい記事が何個も公開されていて、最終日の枠で記事を書くのは大変恐縮です。

私が今回選んだテーマは「2023年自分の分野のトレンド」です。そして、生成AIについて書くことにしました。

今年は生成AI一色の年だったなと思います。生成AIの精度が上がり、生成AI起因でたくさんのサービスや機能がリリースされました。この記事では弊社でのAI活用事例から始めて、これからの生成AIのトレンドについて話を進めたいなと思います。

M&Aクラウドにおける生成AIの活用事例

まずは、弊社M&Aクラウドで今年どのように生成AIを活用していったかを紹介させてください!

3月には「ChatGPTを活用したM&Aプロセスの効率化」についてプレスリリースを出しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000018978.html
また、近いタイミングでエンジニアメンバー向けにGithub Copilotを導入しました。これにより、エンジニアの開発効率があがり、今ではGithub Copilotが無いと開発できないよね、という状態になっています。
https://tech.macloud.jp/entry/2023/03/31/125606

4月には、生成AIを使ったハッカソンを実施いたしました。これはエンジニアだけでなくM&Aアドバイザーから法務まで全社員に生成AIに触れてもらうという目的で行ったもので、大変盛り上がりました。詳しくはこちらのテックブログを御覧ください。 https://tech.macloud.jp/entry/2023/05/02/163343

また、こちらのハッカソンで出たアイディアから、早速プロダクトに導入された機能として「生成AIによる会社情報の自動入力」がありました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000018978.html

こちらを注目していただき、WBSでも取り上げていただきました!

WBSに生成AIの活用事例として取り上げられました

また11月にも「AIおすすめ機能」をリリースし、プラットフォームの活性化にチャレンジしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000018978.html

並行して、有価証券報告書から買い手企業の買収ニーズを生成する「買収ニーズくん」や買い手と売り手の情報からM&A時に想定されるシナジーを生成する「シナジー提案くん」といった社内向けの機能開発もしており、これらは当たり前に社内で使われるようになりました。このように生成AIを活用した事例は社内で増え続けています。

生成AIのトレンド

次に生成AIのトレンドについて話ていきたいのですが、自分の中では

①モデルの精度向上
②サービス上でのAIを使った機能提供
③AI起点でのプラットフォームサービス提供

という3つが大きなトレンドかなと考えています。そしてそれが並行に走っていて様々なサービスや機能が世に出てきています。

もちろん、アルゴリズムを気軽にシェアしたり公開したりできる、AIのマーケットプレイス的なトレンドや言語モデル以外に画像や動画、音楽などさまざまなモデルが出てきているというトレンドもありますが、私はこの3つに注目しています。

モデルの精度向上

まずは①モデルの精度向上についてです。今年は3月のGPT-4登場を皮切りに様々なモデルのアップデートがありました。また、それと同時に高精度なモデルを搭載した対話型のインターフェースが様々な会社から提供されました。

特にGPT-4のChatGPTに初めて話しかけたときは誰もが衝撃を受けたんじゃないかと思います。

その後、GPTモデルは学習情報が古いということで、最新の情報も学習して回答できるというのを一つの売りにしたPerplexity.AIやBardなどが出てきました。

しかし、GPT-4は3月にリリースされた時点は、モデルの学習データは2021年9月時点のものでしたが、11月のDevDayでGPTモデルの知識が2023年9月時点のものにアップデートされており、このスピード感でモデルがアップデートされていくのであれば、モデルの古さという課題もかなり軽減されそうですね。

次のGPT-5が出るのが来年か、再来年かはわかりませんが、更に精度が高くなったときにどのようなことができるようになるのか、とても楽しみです。

サービス上でのAIを使った機能提供

次に②サービス上でのAIを使った機能提供です。

今年は様々なサービスで生成AIを元にした機能がリリースされました。

これらは既存のサービス上のテキストや画像等のコンテンツを生成AIを使って加工することで、ユーザーの作業をサポートする形で価値提供しています。

文章を要約したり、代筆したりといったものが多く、サービス上でのユーザーの操作をサポートします。

弊社でリリースした生成AIを活用した入力補助の機能もこちらに該当しますね。M&Aのプロセス上では情報を入力・加工するという工程が多いので、こうした活用により、M&Aクラウドのユーザーにさらなる価値提供を行っていければと思っています。

こういった機能はこれからも増えるでしょうし、どこかのタイミングで入っているのが当たり前という状態が来るんじゃないかと思います。日々生活していて、なんでこのサービスAI入ってないんだよ!っと思うことが増えるかもしれません。

AI起点でのプラットフォーム化

そして個人的に今私が一番気になっているのは③AI起点でのプラットフォームサービス提供です。これはAIが複数のサービスを有機的につなぎ合わせることで、ユーザー自身がサービスを直接使わなくても、ユーザーに価値提供できるというものです。

例えばChatGPTに搭載されたPluginsがいい例ですが、AIに命令するだけで適切なプラグインを選択して勝手にタスクをこなしてくれます。これはユーザーではなくAIが何のサービスを使うか判断するという点が①や②と大きく何違います。こういった形でAIが複数のサービスを載せたプラットフォームのように機能する形のサービスリリースが最近増えていると感じます。

面白いなあと思ったのは、GitHub Copilot Workspaceの発想です。GitHubの発表によると「人間が書いたIssueを起点にCopilotがIssueに対応した仕様を書き、実装計画を示し、それに沿ってコーディングや既存のコードの修正を行い、ビルドをしてエラーがあれば修正まで行うという、コーディングのほとんど全ての工程をCopilotが自動的に実行してくれる」というところまでを可能にするそうです。すぐにこんなことにはならないかもしれませんが、AIが複数のサービスを呼び出すことで、人間が手を下すことなく作業が終わるという場面がこれから増えるかもしれません。

直近発表された Amazon Qも似たような形で、AmazonQからAWSコンソールを呼び出したり、Amazon CodeWhispererと連携して一からコードやAWSの構成を作ってしまうような機能がリリースされるようです。詳しくはこちらのリンクを御覧ください。

こういったサービスをつなぎ合わせるAIの提供が進んでいくのであれば、サービスをたくさん持っているいわゆるテックジャイアントと呼ばれるような企業がもちろん強いわけなので、Microsoft、Google、Amazon等の企業のサービスがまた進化していってしまうのかと、今から想像しています。

また、AIのプラットフォーム化については、今はまだエンジニアリング領域やツールなどのリリースが多いですが、徐々に、より実務寄りのサービスにも進出していくのではないかと想像します。例えば一つのAIを起点にして経営管理SaaSも人事・労務SaaSも情シスSaaSも呼び出せてしまうような状況です。そうなった場合、いかに自社の提供するAIからたくさんのサービスを呼び出せるのか、逆にサービスの提供側はいかにたくさんのAIと連携できるかが大事になっていきます。

AIを提供する企業同士は、自社のAIから呼び出せるサービスのラインナップを増やすために、サービスの獲得競争が熾烈になっていくのではないでしょうか?そしてIT企業同士のM&Aがさらに盛り上がっていくのではないか?

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