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アメリカと中国の現在地

ご参考:アメリカの横暴(過去記事)

アメリカが「安全保障上の問題」と言ってきたら

アメリカが世界で一番でなければならない理由は、とても一般人には理解出来ません。思い出されるのは、日本企業による半導体シェア獲得を潰されたこと。それも、どこかで何度も聞いたような理由を並べて。

「日本半導体のアメリカ進出は、アメリカのハイテク産業あるいは防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題がある」

それでも日本人は、アメリカが行うことを「正義」として盲信してしまうのです。私もアメリカの歴史を学ぶまでは、アメリカは憧れの地であり、事業としてもアメリカの某産業にどっぷりだった時期がありました。

証拠がない時は捏造の可能性がある

CIAは、「中国政府がTikTokを通じて米国情報を入手できる可能性はあるが、現時点でそれを実行した証拠はない」としています。ということは、捜査段階で物的証拠がないにも関わらず、TikTok(バイトダンス)をスパイ企業に認定してしまったのと同じです。

遡ること2012年、中国によるスパイを恐れてHuaweiのアメリカ国内での機器販売を禁止した一方で、アメリカNSAはHuaweiを積極的にハッキングし、Huawei製品のソースコードを盗んでいたことがエドワード・スノーデンの公開文書で明らかになっています。アメリカが言っていることとやっていることは、矛盾していることが明らかにされたのです。

この時、18ヶ月に及ぶHuaweiに対する調査報告では、Huaweiがハードウェアのバックドアを介してスパイ行為を行っていた証拠はないことが判明しています。

まだ証拠が提示されていない状況では、アメリカの言うことを100%信じることは出来ません。これは湾岸戦争でもそうでしたし、過去に書いたベトナム戦争のきっかっけも捏造でした。とにかくアメリカは、世界で一番でなければ気が済まない病気にかかっていると思っています。

アメリカ政府は確実に監視している

先日、ウォール・ストリート・ジャーナルがすっぱ抜いた記事をご紹介します。

<要約>
☑ 米国政府と契約している企業が、監視用のソフトウェアを膨大な数のアプリに埋め込んでいる
☑ 結果として、全世界で何百万人ものユーザーが監視されてきた
☑ ユーザーの位置情報などは、売買されている
☑ 業界関係者によると、米国では位置情報の売買に関する規制がほとんどない

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事が真実であれば、アメリカはまず他国のアプリを非難・禁止する前に、自国における個人情報の保護を規制・法整備することが重要なように思えます。

ではアメリカが「安全保障上の問題」として中国、そして中国企業に対して行っている制裁は一体何のためなのでしょうか。

結局はアメリカの内政干渉

冷静に判断してみると、中国がセキュリティ上脅威であるかどうかは別として、アメリカが行っている国際的な戦術はひとことで「内政干渉」に尽きると思います。

中国は、アメリカにより一部巧妙に捏造されたウイグル問題、香港民主化問題、そして台湾民主化問題に上手く対処してきた印象があります。特にアメリカ国旗が掲げられ、明らかにアメリカからの資金援助のもとに活動が支援されてきたウイグルと香港については、中国内部での体制崩壊を画策したアメリカ側の意図があったのに、日本では全く報道されませんでした。

ウイグル

香港

アメリカが「自由と人権」「民主化」を標榜して活動し始めたら、これはもう民主主義を隠れ蓑にした体制崩壊戦略と思って間違いない。アメリカは、爆発事故が起きて政権批判がさらに激増しつつあるレバノンも狙っています。

アメリカは爆発後に軍隊を派遣、救援物資を届ける一方、レバノンで体制崩壊が起き、ペルシャ湾で緊張が高まることを望んでいるように思えます。

そしてさらにまた香港にも内政干渉を…

この5か国が登場したら危険です。世界監視体制であるUKUSA協定(ファイブアイズ)の5か国です。他に追随する国が無いのは、「中国への内政干渉にあたる」と考えているからです。この5か国は、平気で内政干渉します。

監視に値しないチリの国民投票延期については、ファイブアイズは何のコメントもしない、何の抗議もしないという分かりやすいアングロサクソン戦略なのです。世界中の選挙延期に対して物申すならまだしも…チリも香港も人命を最優先しての延期ですからね。中国とすれば、感染者数も死者数も莫大で、ほぼ無策の国にとやかく言われる筋合いはないわけです。

中国・内需最強国家への道

…という形で反アメリカ的な記事になっていますが、中国共産党のやり方が正しいと言っているわけではありません。冷静に経済や金融マーケットを見ていく中で、中国が内需拡大に注力すれば、既存の思考を一部変えなければならないほど大きなインパクトを持つことになります。

そして中国は舵を切りました。一気に動くでしょう。

中国は国家主導で一気に動くことが出来るので、人口14億人のポテンシャルをまざまざと見せつけることになると思います。やがて金融マーケットの規制緩和も起きるはずで、「外国人のためのデジタル通貨」による投資マーケットの創生、つまりオフショア金融ゲートウェイが海南島あたりに作られるのではないかと見ています。

「通貨の流動性」は中国元にとっての課題です。

そう、東南アジアにおけるドバイですね。アメリカと軋轢を繰り返しながら、中国は世界の影響を受けにくい巨大なマーケットになるでしょう。

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