サウナで人ぶん殴った話
親が敷いてくれたレールに乗ってきました。
そのレールには「人を殴る」というプログラムは組まれていませんでした。
そして生涯、人の顔面を殴ることはないだろうと思ってました。
1年前くらいのサウナでの出来事までは。
ヤバイサウナ
1年くらい前のことです。
近所にある入場料1000円弱のそれなりに大きいスーパー銭湯のサウナがどうやらやばいと港の噂を聞き、足を運びました。
いざサウナ室内に入ってみるとライトアップされていたり、広かったり。何よりサウナ室内とは思えないくらいの人多さに、早速「やばい」と感じました。
出入り口から1番遠い、角の最上段しか空いていなかったので仕方なく人混みに失礼しながらなんとか着席。
そして、
「高温サウナを期待していたけど、温度はそこまで暑くないな。まぁ確かにヤバイサウナだなぁ」などと思いながら10分くらい経過したころでしたでしょうか。
ロウリュ
鉢巻を巻いたスタッフの方が3、4人入ってきて。
「只今より、ロウリュを始めます。」とスタッフの方が言った後に「パチパチパチパチ」と拍手をする大勢のお客さん。
側から見ればまさに新興宗教でした。
ロウリュって言葉も体験も初めてだったので恐怖を少し感じましたが、何やら新興宗教に出家した気分で心が躍りました.
そして、
釜地獄のロウリュ1回目
サウナストーンにアロマ水をぶち込む、スタッフとそれにより発生した蒸気をうちわで巡回させる3人のスタッフ。
「ジュー,ジュー」サウナストーンが悲鳴を上げと同時に僕も悲鳴を上げました。
うちわのスタッフさんのひとあおぎ目の瞬間,全身が千切れるかのような,釜地獄にいるような激痛が全身に走りました。
1000円も支払って自分も一体何をしているのだろうと今期最大の大悟をしましたよね。
そして,キチガイみたいな体感温度の蒸気をある程度巡回させた後、今度は一人一人に向かってキチガイみたいに,あおぎ始めるではないですか。(またの名をアウフグース)
万歳しながらその熱波を受ける人に「こいつらやべぇ」と思いながら、根性で受けてやりました。
ほぼ死にかけ状態。
今すぐにでもこの新興宗教の場から解放されたいと思っていましたが、あいにく入り口から1番遠い最上段の角に座っていた且つ1番最初には脱落したくないという謎のプライドが死にかけの自分を2回目のロウリュに連れて行きました。
人を殴ったロウリュ2回目
そして死にかけの状態でやってきました2回目のロウリュ。
スタッフの方が、「2回目のロウリュは大変高音になっております。火傷する可能性もございます。無理をなさらないようお願い申し上げます。」
(ざわざわざわ)
先ほどと同じくアロマ水をサウナストーンにぶち込むスタッフさん。
自分も熱いだろうに、鬼の形相で蒸気を巡回させるスタッフさん。
そして恐怖の1仰ぎめがやってきました。
鬼の形相でスタッフさんが、うちわを仰いだその瞬間。
僕の温度センサーがバグり、痛覚が2倍になりました。
少し誇張しますが、ガチで死を意識した瞬間でした。
最上段に座る10人以上の教徒達がプライドを捨てて全員が一斉に立ち上がり、生きるために出口へ向かいます。
僕は相手への配慮を忘れ、両手で人を掻き分けて突進しながら出口へ向かいました。
その最中に右隣に座っていた人の顔面へエルボーを食らわせてしまったんです。
もちろん故意的ではありませんが、僕が人生で初めて人の顔面を殴ってしまった瞬間でした。
何より自分の命の方を優先したため、謝ることはできませんでした。
水風呂に飛び込み、体の水分を拭き取った後の外気浴の気持ちよさは今でも忘れません。
しかし、1週間くらい指先と水掻きにヒリヒリとした火傷を負いました。
もう2度とロウリュには参加しないと誓いましたよね.
僕の現在の趣味ですか?
なんちゃってサウナーに出家しましたよ。
昨日のロウリュも最高だっぜ。
あの殴ってしまった人元気にしていたらいいな。
おしまい。
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