見出し画像

ジャイアントキリングならず

だいぶ時間がたってしまいましたが、知的障がい者サッカーチーム「横浜F・マリノスフトゥーロ」が横浜市民リーグに続いて、横浜市サッカー協会主催のカップ戦「平成30年度横浜市民大会」に初参戦。

7月21日新横浜公園球技場で、桐蔭学園高校OBが設立した神奈川県社会人リーグ1部(7月21日現在リーグ戦2位)の強豪チームYOKOHAMA FIFTY CLUBと対戦。元日本代表の永井雄一郎選手が入団したことで話題になったチームだ。

フトゥーロは4-5-1。GK1内堀嗣円。ディフェンスは6大橋健祐、4小林佑平、5宮本裕士、2清田達晃。ボランチ8中村海斗、7高畑誠。11田中秀太、10外崎蒼紫、12山寺則幸。FWは9山田悠太。

試合前に宮下監督は選手たちに「今日の試合で意識してもらいたいことは、攻撃で二つ。守備で二つ。全体で三つあります。攻撃では①状況判断②少ないボールタッチでボールを動かす。周りをよく見ること。ボールを受ける前に準備をしていること。ボールをシンプルに動かすこと。これが攻撃のポイント。」

「守備は①攻守の切り替えを早くする。②プレッシャーをしっかりかけてボールを奪いに行く。相手の前に立っていることが、プレッシャーをかけるということではないよ。プレッシャーというのは相手に圧力をかけること。抜かれたら何かでも追っかけよう。相手の背中を追っかけるんでもいいから、今日はそこを頑張ろう。」

「全体では、暑いけど頑張って動くこと、運動量を多くすること。粘り強くプレーをすること。集中力を切らさないこと。この三つ。攻撃に二つ。守備に二つ。全体で三つ。シンプルだけどこれを守るのはとっても難しいと思う。相手の能力を考えたらね。でもね。みんなにとってある意味いい勉強の場だと思っています。どれだけ意地を出せるか。どれだけ相手がこいつら根性あるなと思わせるか。こいつら下手くそだけど頑張るな。相手にそういう気持ちを俺たちはこういうんだ。と伝えられるように頑張りましょう。」と語った。

試合はFIFTY CLUBの早い攻撃で前半2分にFIFTY CLIB 17中村友洋選手。4分には20番小西章也選手と立て続けにゴールを決められる。

さらにFIFTY CLUBのペースで試合が進む。全員での守備、GK内堀のファインセーブで追加点を許さない。

途中12山寺選手が体調不良で13岡田秀太と交代する場面があったが前半を0-2で終えた。

ハーフタイム「ディフェンスラインをもう一回確認して。もう一回作って、たかだかボール一本でやられないように。ちょっと余裕を持ってギャップを絞める、ボランチのバランス。サイドに行く。つなごうとする。そういうことで守備が出来る。攻撃を遅れせることが出来る。」

「後半スリーバックにします。3-5-2。裕太と丸コーチFWにします。ディフェンスは大橋と佑平とキヨ。お前ら三人でしっかり守れよ。ツートップ二人を見ろ。ボランチは二人でバランスを考えろ。中盤はマークの行き方またおかしくなっているぞ。まずボールにもっと行かないと。3-5-2。これで行きます。キーパーナイスキック。キックいいぞ。よし行くぞ。」

後半はGK1内堀嗣円。ディフェンスは6大橋健祐、4小林佑平、2清田達晃。ボランチ8中村海斗、7高畑誠。11田中秀太、10外崎蒼紫、13岡田秀太。FW38丸山亮、9山田悠太。3-5-2でスタート。

後半の選手交代、3-4-2への変更で前に進む力が出てきたフトゥーロ。後半12分フトゥーロは39小林陸玖、14山本裕太を、FIFTY CLUBも18野沢優を投入。38丸山と39小林のツートップでゴールを狙う。後半17分FIFTY CLUB 16田久保徳英が追加点を決める。38丸山、39小林の二人が前でボールを納めるようになると、守備に奔走していた中盤の選手たちも攻撃に参加しるようになる。後半23分右サイドをドリブルでボールを運んだ38丸山がGK1杉田哲司と1対1になりループシュートを決めた。

その後もFIFTY CLUBは攻め急がずしっかりと組織的な攻撃で2点を追加。フトゥーロの横浜市民大会は1-5で1回戦で終わった。

試合後の宮下監督

-お疲れ様でした。リーグ戦を含めて社会人チーム3チームと試合をしましたが、今日が一番キチンとサッカーをやっているチームとの試合だったと思いました。試合前から失点が避けられない力の差がある相手との試合で、選手たちは結構対応している場面もあったと思うのですが。少なくとも対応しようとしているように思えたのですが、監督から見ていかがでしたか。

宮下監督「そうですね。暑い中。条件は一緒ですけど、精神的には最後まで頑張って守ろうという気持ちが出ていたのはチームにとって収穫かと思います。その前に自分たちの攻撃の時のボールの失い方とか、いままで通用した部分が、県トップレベルのチームと対戦出来たことで、今を明確に見れたこと。なんとか通用するなと思えて自分たちが努力してやって来たことが、ちょっとだけ形に出来たことがハッキリと見えた試合ではないかと思います。一番上のチームと試合が出来たんである意味楽しみがあったんですけど、やっぱり終わってみたらコテンパンにやられたのが印象としてありましたけどね。」

-中村海斗が言っていたのですが「現実を見せつけられた。後半はコーチが入ったことによって、コーチが溜めを作ってくさびになってくれたから、チームもそうだけど、自分も前にでて攻撃に絡めるようになったのがよかった。」と言っていました。

宮下監督「相手しっかりと繋ごうとやっていたんでね。裏をどんどん狙われて点数だけ求められたら何十点もとられちゃいますけど、相手が繋いでくれたので少しピンチだったところも助かったというところもあったし、そういった意味では、少し自分たちも攻撃で終わったのかなと思いますけどね。後ろに蹴って走ってだとポコポコ点を取られちゃいますけどバランスもなにもないままね。(失点が5点ですんだのは)相手がちゃんとサッカーをやってくれたというのが、大きかったと思います。

-今日の試合は選手たちにはとても意味がある試合だったと思うのですが。

宮下監督「選手たちは自分たちが新たなチャレンジをリーグ戦を戦ったりとか、すこしづづそういう試合の場、実戦の場が増えてきたことで、自信と言うか、年間のプランというかそういうのが示しやすくなったんでしょうね。1年間練習して何回か公式戦をやるのとコンスタントに試合をやって、そういう場で自分を見つめなおせる時間があるというのはね。そういった意味ではいい強化になっているとは思います。」

「こういうチームなんで長い目でみていかないと。ここだけで見たら良かった悪かったって出ますけど、最後にこの過程が良かったと出来るようにするのが一番いいんで。」

大橋健祐のコメント

-今日はどんな仕事が出来ましたか。

「相手の右サイドハーフを自由にさせないように意識しました。」

-自由にやっていたね。

「自由にやられました。そこが残念です。」
「後半3バックに変わってからは、真ん中を絞る感じでやりました。失点が前半より少なくなった。次回に向けてまた体を絞って頑張りたいと思います。」

ゴールを決めた丸山亮のコメント

-きれいなループシュートでしたね。

「勝たなきゃダメですよ。」と悔しそうに語った。


後日、宮下監督は選手たちに横浜市民大会を振り返って「強い相手だったけれど、みんなしっかり練習をしていけば、あれくらいの選手にはなれる。必ず、ああいうチームに勝ったり、いい試合が出来るチームになれるからしっかりと練習をしましょう。」と話をした。

次回の横浜市民リーグ第3節は未定。

フトゥーロは8月4,5日に静岡県御殿場市の時之栖うさぎ島グラウンドで行われる、全国知的障がい者サッカー交流大会に全チームで参加する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?