【量子コンピュータ入門】 量子アニーリングとは
はじめに(量子コンピュータの2種類の方式に関して)
量子コンピュータには、大きく「量子ゲート方式」と「量子イジングマシン方式」があります。
この2種類は全く違う性質を持ちます。
*量子ゲートと量子アニーリングが比較される事が多いのですが、量子アニーリングはアルゴリズムという認識です。
量子イジングマシン方式とは
量子イジングマシン方式とは、イジングモデルで表現された組合せ最適化問題を解くことに適した方式です。
さらにこの量子イジングマシン方式には、「アニーリング型」と「レーザーネットワーク型」に分けられます。
この記事では、量子アニーリングに関して説明します。
量子アニーリングとは
量子アニーリングとは、量子の性質を利用して最適化問題を解くためのアルゴリズムです。
また「アニーリング(annealing)」という単語は、「焼きなまし」という意味で、金属の加工処理の一種になります。
金属の焼きなまし処理とよく似た処理を行う計算機が、量子アニーリング型(量子アニーリングマシン)というわけです。
*補足すると、量子アニーリングに特化し設計された量子コンピュータを「量子アニーリング型」や「量子アニーリングマシン」と呼びます。
*D-Wave社のマシンで行われる計算を量子アニーリングと呼ぶこともあります。
*日本(NEC)やカナダ(D-Wave)が中心となって取り組んでいます。
量子アニーリングの生まれは日本?D-Waveとは?
実はこの「量子アニーリング」の生まれは「日本」です。
1998年に、東京工業大学の門脇正史氏や西森秀稔氏によって提案されました。
その後、カナダでは量子アニーリングを利用した量子コンピュータである量子アニーリングマシン「D-Wave」が誕生しました。
D-Waveは「組み合わせ最適化問題」を高速に解くための専用マシンとしてAmazon Braketなどのサービスを通してクラウド上で利用が出来ます。
量子アニーリングマシンの活用に関して
量子アニーリングマシンの活用が期待されている分野として、交通問題が挙げられます。
例えば、渋滞や混雑などの交通問題の解消や、配送ルートを最適化するなどになります。
他にも、金融分野における最適化計算なども考えられます。
おわりに
今回は、量子アニーリングに関してざっくりと解説しました。
ここでは量子コンピュータと一口に言っても、種類が存在し、異なる性質を持つということがご理解頂けたかと思います。
量子アニーリングに関しての詳細は記載しておりませんので、気になる方は下記の書籍も読んでみてください。
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