災い転じて福となす~ピンチとは常にチャンスの始まり
最近自分を深堀りする機会があって、なんと、自分が「意識高い系」だと気づいて、ちょっとショックを受けている、兵庫県豊岡市のお墓と墓石のアドバイザー、大北和彦です。
2004年の話です。
ずいぶん昔の話だな。。。
この仕事初めて9年目だったと思う。
アテネオリンピックで北島康介が「チョー気持ちいい!!」と叫んだり、
イチローがメジャーで大活躍、「冬のソナタ」が大ヒットした、そんな年です。
台風23号がやってきて、豊岡市は円山川が決壊し、大きな被害を被りました。当時工事してたお墓にも影響があり、水害の後片付けして、お墓工事を再開しようとしてたその時でした。
突然のめまい、視野が急に暗くなって、意識が遠のいた、んです。。。
これは絶対ヤバイ、と感じて、その場にうずくまり、しばらく様子をうかがっていました。たまたま一人で人気のない場所で作業していたので、助けを呼ぶにも人がいない。
しばらくその場にうずくまったり、横になったりしてたけど、あまり改善しない。めまいと頭痛、まともに歩けない状態。
「血だ!!血が足りねえ!!」(by ルフィー)
明らかにこれは、貧血の症状。。。でも、急にどうして。。。
30分以上はその場に横たわっていたはずです。多少は症状が落ち着きだしたかな、というタイミングで、決心しました。
家に帰るしか手がない。自力で帰る。なんとしても!!
「とにかく、家に帰らなければ。。。」
それだけのために、私の体の全てをフル稼働させる。
めまいは多少ましになったけど、まだ立ち上がったら、世界が傾く。。。吐き気とともに。。。
万全の体制で(倒れるなら草の上(^_^;)
一歩一歩踏み出した。
まるでクララのように。。。
見た目は全く違うけど。
倒れそうになりながらも、倒れた瞬間、トラックのドアのハンドルを掴む、いや掴めて、何とか乗り込んだ運転席。
運転席でしばらく目をつむっていると、めまいと吐き気は納まってきました。大丈夫、少しなら車の運転もできる。
今なら携帯で迎えに来てもらうところですが、当時はそんな余裕もなく。。。
誰も出てくるなよ、急ブレーキ踏ませるなよ、っと勝手なことを考えつつ、でも、正に生きるか死ぬか、dead or alive ギリギリの瀬戸際、背水の陣、背に腹は代えられぬ、前門の虎後門の狼、知る限りの言葉で表現してみましたが、そんな状況です。
幸いにも、田舎道なので、普通に「20キロ走行で左折のウィンカー出しながら、直進し続けるおじいちゃん軽トラ」とかが走っている道なので、私のトラックも20キロくらいで走行しても、普通に追い越してくれるドライバーばかり。。。とってもやさしい田舎道です。
何とか事故を起こさず、自宅に帰宅。そのまま、布団に倒れ込んでしまいました。
でも、何が私の中に起こっているんだろう。
朝ごはんはちゃんと食べているし、昼ご飯も食べているし、夜ご飯だって。。。とりあえず食欲はある、ということで、
それ以外は。。。
いろいろ想像を張り巡らしているうちに、トイレに行かなくては!!となってきました。
しかも、大きい方。こんなタイミングで、どうして??
でも、したいものは仕方ない。
で、トイレでいつものように、済ます。
ん? 何かが違う。。。
一応、自分の体から出たものを確認したら、明らかに違うんです。
普段とは別の!!
(食事中の方、ごめんなさい。。。)
と同時に又めまいが。。。じわじわと第2波が、やってきた。
私の中の何かがおかしい。何かが非常事態宣言を発令している。
でも、何かが分からない。
仕方ないのでもう病院に行こうと説得され、救急外来へ。
(当時、豊岡病院はまだ立野にありましたよ)
そこで、私の異変の正体が判明しました。
病院で、ありとあらゆる検査をしていただき、
最後はお尻に指突っ込まれて、判明しました。(汗)
出血性胃かいよう
です。
そのまま入院。で、そのまま止血します、と言われました。
どうやって??
胃の中の出血を止めるの?
と思っていると、胃カメラ(内視鏡)を胃に入れて、クリップで止める、とのこと。胃カメラか。。。
実は以前、胃カメラはやったことあったんです。けっこうキツイです。涙なしにはいられません。でも、まあ経験済みなので、さほど心配せず、やりました。
挿入から、30分経過してもまだ入ってます。
以前した時は、5分くらいで許してもらったんですが、今回は長すぎる。。。
これは、人生で3本の指に入る辛さです。厳しすぎる。助けて、先生そろそろいいんじゃないですか。。。
声が出ないので、視線で「懇願」の文字を送りましたが、全く意に介せず。
そろそろ助けてください、と視線で「悲嘆」の文字を送っても、無視。
あなたは、血も涙もないロボットですか?という「悲鳴」の文字を送っても、「はい、がんばってくださいね。」のひとこと。
そろそろ「殺意」の視線を送るべきか、と思った頃、やっと、重い腰を持ち上げた先生が「はい、終わりました。ご苦労様でした」の声。。。
でも、今は心から感謝しております。あの節は、ありがとうございました。先生。
それから、しばらくは入院生活。起き上がることもできず、トイレもいけません。寝たきりです。食事も全くなし。それ以来、私、空腹の対処の仕方を覚えて、お腹空いても結構我慢できます。
貧血はひどかったですね。あまりにひどいので、「輸血」しよう、となりました。で、生まれて初めて他人の血液を体内に入れました。これで私は一生、「献血」できない体になりました。輸血された方は献血できないの、知ってました?
それから、献血された後も結構キツイんですよね。酷い倦怠感、頭痛、めまいがひどくて、数日、何もしたくなかったです。ホントにこれもきつかった。でも、血を頂いた方、ほんとにあの節にはお世話になりました。どなたか存じませんが、感謝です。
入院生活もしばらくすると、退屈という敵と戦わなくてはなりません。
実は、男なら病院に入院すると必ずといっていいほど、掛かる病があります。
それは、、、
「看護師さんを好きになってしまう病」です。(マジです)
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入院したことある男性なら、おそらくほぼ全員かかっているはずなんですが、実は私もその病にかかってしまいました。
今日はその看護師さんの当番の日はなんとなくソワソワしたり、ワクワクしたり。。。ホントに始末が悪い病なんです。
そんなこんなで、割と楽しみも見つけながらの入院生活を送っておりました。しかし、やはり一日何もすることがないというのは、ほんと辛いものです。そのうち、退屈と本格的に対峙しないといけなくなりだしました。。。
そんな時、月刊石材という石材業界の専門誌に掲載された記事にくぎ付けとなりました。
第一回「お墓ディレクター1級試験」迫る、というものでした。
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